ラクイラ・サミット
G8首脳宣言・世界経済
(主要なポイント)
平成21年7月
- 経済に、株式市場の回復、金利スプレッドの縮小、企業・消費者の信認の改善など安定化を示す兆候があるが、状況は依然として不確実であり、経済・金融の安定に対する大きなリスクが引き続き存在。
- 需要の支持、成長の回復、金融の安定のために必要なあらゆる措置を講じるとのロンドン・サミットにおける決定を再確認。引き続き迅速に実施。
- 2007年に開始した新興経済5カ国(中国、インド、ブラジル、メキシコ、南ア)とのハイリゲンダム対話プロセスは、世界経済が抱える課題に対応するために共通の理解と責任を共有するために重要な土台であり、対話の延長に合意。
- 危機克服のために必要な措置は、短期的には財政に影響を与える。財政の中期的な持続可能性の確保にコミット。
- 景気回復が確実となった際に、危機に対応するためにとられた例外的な政策を元に戻す戦略の必要性に合意。この「出口戦略」は、国によって異なり得るが、長期的に持続可能な回復を確保するものである必要。
- 金融市場の安定化及び銀行活動の正常化を含む金融システムの修復は、持続的な経済回復の確保のための緊急の優先事項。
- 課税ベースの保護や租税回避との闘いなどの国際租税、金融健全性、資金洗浄・テロ資金供与対策の分野における国際協力と更なる努力の重要性を再確認。
- 安定した持続的な成長には、経常収支の不均衡の円滑な解消が必要であり、多国間で合意された戦略に沿って、必要な調整のために協働。
- 金融規制、国際金融機関及び金融安定理事会の改革のために、ワシントン・サミット及びロンドン・サミットで行われた作業を強く支持。適時の実施に全面的にコミット。他のパートナーに対し我々の取組みへの参加を強く要請。
- コーポレート・ガバナンス、市場の健全性、金融規制・監督、税に関する協力、マクロ政策・データの透明性等の分野において、広範な国際的合意を促進するための「レッチェ・フレームワーク」を策定するとの戦略の目的に合意。多数の国の参加のため努力。
- 国連腐敗防止条約、OECD外国公務員贈賄防止条約の実施等を通じた腐敗防止の取組を促進。
- 危機克服にあたって、積極的労働市場政策、雇用の維持、社会保障システムの持続性・有効性の確保等を通じた雇用の促進に対し更なる行動。ILOのディーセント・ワーク・アジェンダを前進させることは危機対策等として適切。
- 予算措置における環境に配慮した措置の拡大、エネルギー効率改善の努力強化等を通じたグリーン・リカバリーを推進。
- 保護主義防止のコミットメントを再確認。WTOドーハ・ラウンドの早期妥結に向けた決意を表明し、翌日のアウトリーチ参加国との議論を期待。
- 石油価格の安定を含めエネルギー安全保障の確保に向けた取組の後押し。
- 投資に関し、投資に関する多国間の枠組みも視野に入れ、高いレベルの保護・自由化を更に促進することにつき合意。