
ラクイラ・サミット
G8首脳宣言(気候変動、開発・アフリカ)
(主要なポイント)
平成21年7月
1.気候変動
- 本年12月のCOP15に向けて、すべての主要排出国が責任ある形で次期枠組みに参加することを確保することの重要性を再確認。工業化以前の水準からの世界全体の平均気温が2度を越えないようにすべきとする広範な科学的見地を認識。
- 昨年の洞爺湖において合意した、世界全体の温室効果ガス排出量を2050年までに少なくとも50%削減するとの目標を再確認し、先進国全体で、1990年又はより最近の複数の年と比して50年までに80%、又はそれ以上、削減するとの目標を支持する。また、この野心的な長期目標と整合性を保ちつつ、我々は、基準年が異なり得ること、努力が比較可能である必要があることを考慮に入れ、力強い、全体としての、かつ、個別の中期の削減を行う。主要新興経済国が特定年において対策を取らないシナリオから相当程度下回る排出量となるための数量化可能な行動を取る必要性を強調。
- 排出量取引市場の可能性を更に研究するとともに、同市場を新興国・途上国を含めるよう拡大することを目的として可能な限り拡大するようG8間及び他国と協力することを約束。
- 低炭素技術の開発・普及を促進し、もって低炭素社会への移行を更に推進することの重要性を強調。
- 途上国の緩和・適応支援、技術の開発・普及のため、官民を問わずすべての資金を活用することの重要性を確認。
2.開発・アフリカ
- アフリカに関し、金融・経済危機が与える影響を認識しつつ、引き続きアフリカ開発への取組へのコミットメントを確認。また、アフリカの平和と安全のための能力強化に向けた取組の促進を強調。MDGs達成のために2010年に国際的な評価を求めることで同意。
- 開発に関し、「国全体」アプローチを通じ、民間資金等、開発のために利用可能なすべての資金を包括的にとらえることの重要性を強調。MDGs達成への決意を再確認。
- 開発を中心としたG8のこれまでの誓約の実施状況に関する説明責任をより強化させるための作業部会の設置に合意。
- 保健に関し、人材育成を含む保健システム強化の包括的アプローチの重要性を確認。母子保健に関するグローバル・コンセンサスの構築を支持。保健システム強化のためのリソースを動員するための自主的なオプションを提示する革新的資金調達に関するハイレベル・タスクフォースの報告を認識。
- 教育に関し、貧困削減の鍵となる要素であるとの認識を示し、質の高い基礎教育の修了及び高等教育への対応のための統合的なアプローチを支持。教育に対する支援を促進する観点から、2010年ワールドカップ等の主要なグローバル・キャンペーンを歓迎。
- 食料安全保障に対して国際社会が協力して取り組む必要性を再確認。海外農業投資の成長傾向に留意し、G8が国際機関と協力して国際農業投資の促進イニシアティブを発足。2009年末までに、農業と食料安全保障に関するグローバル・パートナーシップの実施を加速。
- 水と衛生の確保が持続的な経済成長に不可欠であることを強調し、アフリカとのパートナーシップの強化に合意。