G7 / G8

議長総括(骨子)

平成19年6月8日

1.世界経済における成長と責任

 ハイリゲンダムにおいて、成長と責任のテーマのもと、世界経済、気候保全、アフリカについて議論。特に主要新興経済国の役割について議論し、緊密な連携につき合意。

ハイリゲンダム・プロセス:

 中印伯墨南アの5カ国と地球規模課題につき議論し、投資、イノベーション、エネルギー効率、開発に関する対話の立ち上げに合意。

世界経済の成長のためのG8アジェンダ:

 世界経済が好調であるとの認識の下、世界的不均衡の迅速な調整の戦略等にかかる本件文書を採択。

金融市場のシステミックな安定性と透明性/ヘッジファンド:

 ヘッジファンドの肯定的役割につき留意しつつも、透明性の向上を通じてシステミック・リスクを最小化したい考え。

投資の自由、投資環境及び社会的責任:

 自由な投資にコミットし、ハイリゲンダム・プロセスを通じて新興経済国と投資条件の醸成をはかる。また、社会的責任につき議論し、CSR等の促進、社会保障の強化につき合意。

イノベーションの促進と保護:

 世界経済の重要な推進剤であるイノベーションの促進と保護のために行動をとることにつき合意。ハイリゲンダム・プロセスを通じて新興経済国との共通理解を促進するとともに、G8として税関協力、民間との協力を拡大。

気候変動・エネルギー効率と安全保障/世界経済にとっての挑戦と機会:

 人類最大の課題の一つであり、世界経済・環境に打撃を与えうる気候変動については、IPCC報告の内容に憂慮しつつ、緊急かつ共同した行動の必要性とG8としてのリーダーシップが重要との点で一致。排出削減の地球規模での目標を定めるにあたり、全ての主要排出国を含むプロセスにおいて、我々が2050年までに地球規模での排出を少なくとも半減させることを含む、EU、カナダ及び日本による決定を真剣に検討する。

 国連の気候変動プロセスが本件を議論するにあたって適切な場であり、本年12月の国連気候変動会議(UNFCCC)における建設的な参加を呼びかける。主要排出国による新たな枠組みを2008年までに立ち上げ、2009年までにUNFCCCのもとでのグローバルな合意作りに貢献することの重要性につき合意。技術、エネルギー効率、市場メカニズムの果たす役割の重要性につき一致。中印伯墨南アの5カ国が「共通だが差異のある責任」の原則のもとで、気候変動に関し、貢献していくことで合意。

天然資源への責任、透明性と持続可能な成長:

 世界の商品市場の状況と最近の価格上昇につき議論。天然資源分野におけるより透明かつ社会的公正な協力関係の深化につき合意。採取産業透明性イニシアティブへの継続的支持と認証パイロット・プロジェクトの立ち上げに合意。

貿易:

 ドーハ開発アジェンダの妥結の必要性を強調し、本年中のドーハ・ラウンド妥結を目指す本年4月のG6閣僚会合声明につき留意。すべてのWTO加盟国に建設的柔軟性を発揮するよう呼びかけるとともに、貿易担当大臣にきたる数週間に多国間交渉のための足場作りを行うよう促す。

2.アフリカ

 アフリカの成長と責任についてG8とアフリカ首脳で議論。

平和と安全:

 長期平和構築と攻撃的な紛争の措置について議論。アフリカ待機軍の文民部門(含む警察機能)強化。小型武器拡散・過剰蓄積防止対策を支援。

経済成長と投資:

 構造改革とガバナンスの強化による、重要且つ堅調な経済成長を歓迎。MDGsを達成するためODA、持続可能な私的投資が必要。アフリカの持続的成長のために普遍的な初期教育を強化。

良い統治と改革パートナーシップ:

 「アフリカにおける相互審査メカニズム(APRM)」への参加拡大を歓迎。APRMの活用による改革の達成に向けた追加支援を合意。

保健システムの向上とエイズ、結核、マラリア対策:

 適切な保健サービスに向けた保健システムの発展と強化の支援を合意。世界エイズ・結核・マラリア対策基金への拠出促進、マラリア対策、エイズ対策へのユニバーサル・アクセスに向けた努力を強化。

3.外交政策と安全保障問題

テロ対策:

 テロの脅威に対応するための協力強化を確認。

不拡散:

 大量破壊兵器等の拡散は国際の平和と安全に極めて重要な課題。核燃料サイクルに関するマルチラテラル・アプローチの重要性を強調し、諸イニシアティブを評価。

グローバル・パートナーシップ:

 カナナスキスでのコミットメントを再確認。今後、地理的範囲と2012年以降への延長につき議論。

NSSG:

 NSSGが、原子力安全と核セキュリティに関し議論し、戦略的政策アドバイスを提示。

コソボ:

 コソボの地位問題につき依然として立場の違いあり。議論を継続。

スーダン/ダルフール:

 人道状況を懸念。スーダン政府の国連との協力を要請。

イラン:

 イランが安保理決議を遵守しないのであれば、さらなる措置をとることを支持。

中東和平プロセス:

 暴力の即時停止と自制を呼びかけ。

レバノン:

 テロを非難。すべての当事者がレバノン政府の主権を尊重するよう呼びかけ。

イラク:

 暴力を非難。イラク・コンパクトの立ち上げを歓迎。

アフガニスタン:

 自爆テロ増加を懸念。アフガニスタンへの関与を継続するコミットメントを再確認。

ナゴルノ・カラバフ:

 紛争解決は地域の平和と安定にとり重要。

北朝鮮:

 我々は、北朝鮮に対し、NPT上の義務を完全に遵守するとともに、2005年9月19日の共同声明及並びに安保理決議第1695号及び第1718号に従って、すべての核兵器及び既存の核計画並びに弾道ミサイル計画を放棄するよう求める。我々は、六者会合及び2005年9月19日の共同声明の誠実かつ完全な実施に向けた第一歩としての2007年2月13日に合意された初期段階の措置の速やかな実施を完全に支持する。我々は、北朝鮮に対し、拉致問題の早急な解決を含め、国際社会の他の安全保障及び人道上の懸念に対応するよう求める。

コロンビア:

 コロンビア革命軍による人質解放等を呼びかけ。

4.2008年G8サミット

 日本の総理が、2008年7月に北海道洞爺湖でG8サミットを開催するとの申し出を歓迎。

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