G7 / G8

G8ドーヴィル・サミット
(概要)

平成23年5月27日

1.議題・日程

 本年のG8サミットは,5月26日,27日にフランスの議長の下,以下のとおりドーヴィルにて開催された。我が国からは菅総理が出席した。

5月26日

(1)ワーキング・ランチ:
日本との連帯,世界経済・貿易
(2)午後セッション1:
原子力安全,気候変動
(3)午後セッション2:
インターネット
(4)ワーキング・ディナー:
中東・北アフリカ情勢,中東和平,リビア他

5月27日

(1)午前セッション1:
政治問題(北朝鮮)
(2)午前セッション2:
エジプト・チュニジアとの対話(注1)
(3)午前セッション3:
アフリカとの対話(政治・地域情勢)(注2)
(4)ワーキング・ランチ:
アフリカとの対話(経済・開発)(注2)
  1. (注1)G8(日本,米国,英国,ドイツ,フランス,イタリア,カナダ,ロシア,EU),エジプト,チュニジア,アラブ連盟
  2. (注2)G8,アルジェリア,エジプト,ナイジェリア(代理),セネガル,南アフリカ(代理),エチオピア,ニジェール,ギニア,コートジボワール,AU委員長,国連,IMF,世銀

2.主要成果

 日本との連帯,原子力安全,インターネット,開発,政治・安全保障を含む「G8首脳宣言」(骨子仮訳英語),「アラブの春に関するG8宣言」(骨子仮訳英語),初のアフリカ首脳との共同宣言として「G8アフリカ共同宣言」(骨子仮訳英語)が発出された。

(1)日本との連帯

 まず,サルコジ大統領(議長)から,東日本大震災の犠牲者に対するお悔やみの言葉があり,困難に直面した日本に対してG8としての連帯を示したいとの意向が示された。続けて,サルコジ大統領から冒頭に発言を求められ,菅総理から発言を行った。これに対し,各首脳からは,改めて日本への深い同情と連帯が示されるとともに,困難な状況の中で日本人が示した不屈の精神と勇気ある行動に敬意が表された。

(2)世界経済・貿易

 世界経済については,多くの首脳から,世界経済の下方要因として,欧州の債務問題,石油・食料等の一次産品の価格変動,新興国の景気過熱等が指摘され,G20等の場も活用して対応を議論すべきとの見解が示された。菅総理からは,冒頭の発言において大震災により日本経済は一時的に景気が落ち込むものの,サプライチェーンは夏までに9割以上が回復し,本年後半には経済活動は復旧する見込みであること,「財政運営戦略」,「新成長戦略」及び「包括的経済連携に関する基本方針」に基づき,財政健全化は着実に進める決意であること等を説明した

 また,ドーハ・ラウンド交渉の年内妥結が困難な見通しとなっている現状に対する懸念が共有され,複数の首脳から本年に一定の成果を上げるべく,主要国間で意見の一致が可能なテーマを議論すべきとの意見が示された。

(3)原子力安全

 総理からは,国際社会における原子力の安全性を最高水準に高めるための5つの提案として,(イ)国際原子力機関(IAEA)安全指針の強化と活用促進,(ロ)IAEA安全評価ミッションの拡充,(ハ)事故時の国際支援体制の強化,(ニ)安全当局者間の連携強化,(ホ)原子力安全関連条約の強化,を提案した。また,今回の事故の検証結果も踏まえ,来年後半に我が国においてIAEAと協力して国際会議を開催することを発表し,各国首脳から支持の表明がなされた。また,原子力エネルギーの活用には国毎に異なったアプローチがあるも,最高水準の安全性の確立にむけ共同で取り組む必要性で一致した。

(4)気候変動

 各国首脳は,本年末の南アでのCOP17において,特にカンクン合意を具体化する作業が重要であるとの共通認識を得た。菅総理からは,真の地球益を守る観点から,一部の先進国のみに義務を課す既存の枠組みを固定化するのではなく,すべての国を含む公平で実効的な国際枠組みの構築が重要である旨主張した。

(5)インターネット

 G8で初めて議題となったインターネットについては,各国首脳から,行政の透明性向上,経済成長や雇用促進の源泉としての役割について触れられ,自由と開放性がインターネット発展の鍵であり続けることを確認した。また,知的財産,個人情報及びプライバシーの保護,サイバー・セキュリティへの対応のため,さらなる協力を行うことで一致した。なお,直前に開催された「e-G8フォーラム」の参加者を代表して,民間インターネット関係者(6名)(注3)も招待され,議論に参加した。

  1. (注3)レヴィ・ピュブリシス・グループ会長兼CEO,シュミット・グーグル会長,三木谷楽天代表取締役会長兼社長,リシャール・フランステレコム会長兼CEO,ミルナー・デジタル・スカイ・テクノロジーズ・グローバルCEO,ザッカーバーグ・フェイスブックCEO

(6)中東・北アフリカ

 中東・北アフリカの歴史的な変革を歓迎し,G8としてその努力を支援していくことを確認した。2日目には,体制移行のプロセスにあるエジプト,チュニジア両国の首脳が招待され,支援のための「ドーヴィル・パートナーシップ」を立ち上げ,IMF,世銀及び地域開発金融機関とともに,短期及び中・長期の支援を行う用意がある旨表明した。また,今後数ヶ月のうちに,中東・北アフリカ諸国等とともに,「パートナーシップ」を進めていく旨,外務大臣及び財務大臣に要請した。

 菅総理からは,東南アジアの民主化や安定,成長に貢献してきた経験も踏まえ,我が国としても,(イ)公正な政治・行政運営,(ロ)人づくり,(ハ)雇用創出・産業育成を中心に同地域への支援を行っていく考えを表明した。

(7)政治問題

  1. (イ)北朝鮮:菅総理より,北朝鮮のウラン濃縮活動は安保理決議及び6者会合共同声明の明らかな違反であり,北朝鮮の核放棄を迫る国際社会の取組に対する大きな挑戦であることを強調し,国連安保理がしっかりとメッセージを発出すべき旨発言し,他の首脳からも我が国の懸念を共有する旨の発言がなされた。また,菅総理より,拉致問題を含めた北朝鮮における人権状況への懸念を提起し,首脳宣言にも盛り込まれた。
  2. (ロ)中東和平:中東地域全体における歴史的変革の動きの中で,イスラエル・パレスチナの間の和平プロセスの進展が一層重要であることが確認された。
  3. (ハ)その他:文民保護を目的とするリビアへの介入は正当なものであるとの意見や,シリア当局による国民に対する実力行使を非難する意見が,複数出された。

(8)アフリカとの対話

 G8とアフリカのパートナーシップを一層強化することが重要との確認の下,コートジボワール,ギニア,ニジェールの首脳の参加を得て,アフリカにおける民主化及び政治的安定に向けた進展を歓迎するとともに,同地域の抱える諸課題について意見交換を行った。また,アフリカの経済成長の促進については,自律的な成長を実現するため,援助のみならず,民間投資・貿易の促進が重要との認識で一致した。

 菅総理からは,TICAD IVにおける対アフリカ支援の公約を誠実に実現する決意であること,また,ミレニアム開発目標(MDGs)の達成に向けて,6月にはMDGsフォローアップ会合を東京で開催する旨表明した。さらに,ASEANの経験を踏まえ,域内貿易の活性化や広域インフラ整備による連結性の向上が成長の鍵となることを指摘した。

3.次回G8サミット

 2012年は,米国の議長の下で開催。

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