
G8ムスコカ・サミット:首脳ワーキング・ディナー
平成22年6月25日
25日20時14分から21時55分まで,約1時間40分にわたり,G8ムスコカ・サミットの首脳ワーキング・ディナーが開催されたところ,議論の概要以下のとおり。
- 非公式な自由討議との前提の下,国際社会における構造変化を受けて,G8,G20といった国際的な枠組み,国連のような国際機関をどのように強化していくかにつき議論が行われた。特に,最近の気候変動に関するCOP15,WTOドーハ・ラウンドの現状等を踏まえ,参加国数が多くなれば正統性が高まる一方,実効性が弱まり,参加国数が少なければ意思決定は迅速となる一方,正統性が弱まるとの問題にいかにして向き合うかという点を 含め議論された。
- 中国,インド,ブラジルといった新興経済国の関与・参加を高めていくことは重要であ るとの点で一致があった。こうした観点から,G20については,世界経済全般を扱う場として今次危機への対応には大きな役割を果たしたが,今後,考え方の異なる国が参加している中でどのように意見を収斂させていくかという課題があるとの指摘もなされた。G8については,価値観を同じくする国が率直に意見交換を行い,国際社会が直面する諸問題の方向性を定めるという意味で,引き続き有用との点で認識が広く共有された。
- 菅総理は,今般の欧州危機への対応に見られたように経済が成熟した国の協力は重要であって,G8は先進国間の意思疎通の場として維持した上で,G20は新興国との間の調整の場と位置づけることが現実的ではないか,中国に一層責任感を高めてもらうためにも,時には中国をG8に呼ぶことを考えてもいいのではないかと述べられた。
- また,国連については,複数の首脳より,その機能強化のためには安保理改革をできるだけ早く進めることが重要であるとの意見が出され,気候変動については,COP15の結果を踏まえて,今後の交渉プロセスについて検討していくことも重要との意見も出された。