平成24年5月18日
5月18日(金曜日),G8キャンプ・デービッド・サミット出席のため同地を訪問中の野田総理大臣は,現地時間18時30分頃(日本時間19日(土曜日)07時30分頃)から約45分間,ファン=ロンパイ欧州理事会議長(H.E. Mr. Herman VAN ROMPUY, President of the European Council)及びバローゾ欧州委員会委員長(H.E. Mr. José Manuel BARROSO, President of the European Commission)と協議を行ったところ,概要は以下のとおりです。
野田総理から,東日本大震災の1周年に際して,ファン=ロンパイ議長とバローゾ委員長から心温まる共同声明が発出されたことに謝意を表し,復興は着実に進んでいる旨述べました。
野田総理から,日EU・EPAは双方の経済成長に資するものであるとしてその重要性を改めて強調し,次回定期首脳協議での交渉開始合意へ向けEUに働きかけを行いました。これに対しバローゾ委員長から,野田総理のリーダーシップによってスコーピング作業に進展がみられているが,加盟国の中には依然として交渉開始に懸念を示す国もあり,特に鉄道など公共調達分野がその対象としてあげられている旨述べました。
野田総理から,IMF資金基盤強化への貢献等,我が国の支援に言及しつつ,欧州経済の回復が世界の安定と繁栄のためには不可欠である旨述べました。これに対し,ファン=ロンパイ議長およびバローゾ委員長から,欧州経済の安定に向けた日本のこれまでの貢献に対する謝意が述べられました。
その他,イラン,北朝鮮についても意見交換を行いました。イランに関しては,日EU双方で核問題の深刻な懸念を共有しました。また,野田総理から,イラン産原油の輸送に係る保険・再保険に対するEUの禁止措置に関し,例外措置の延長等を期待すると述べました。北朝鮮に関しては,野田総理から,核,ミサイル,拉致などの問題について,EUと緊密に連携していきたい旨述べ,ファン=ロンパイ議長から日本とEUは立場を共有しているとの応答がありました。