G7 / G8

知的財産権

平成24年5月22日
英語版

 G8首脳は,イノベーションの推進力としての知的財産権(IPR)制度の重要性に留意し,開発途上世界におけるIPRの能力を向上させる重要性を認識する。知識基盤型経済のための効果的なIPR制度の豊かな国際的潜在成長力の実現を追求しつつ,G8首脳は,多国間及び二国間の手法を通じて,これらの極めて重要な制度を向上させることを追求する。G8首脳は,偽造品及び海賊版の国際貿易が,革新的な中小企業を含む我々の国内経済及び我々の市民の幸福に対して一層重大な脅威をもたらしていることを更に理解する。

協力的政府間イニシアティブに対する支援

 G8政府は,偽造品及び海賊版の国境を越えた取引に対処するため,法的手段及び他の形態の協力への参加の拡大を通じて,国際協力に対する支援を再確認し,参加国に対して,必要に応じ,公衆衛生や消費者安全を保護することに特別な注意を払うよう奨励する。

自主的なベスト・プラクティスの促進

 G8政府は,民間企業に対し,競争及び個人情報に関する法律等の各国の法律と整合的で,外国の供給者に知的財産権の尊重を要求するベスト・プラクティスの自主的な行動規範に同意し,導入するとともに,進展を測定する民間セクターの法令遵守監査に関与することを奨励する。これらのベスト・プラクティスは,産業における期待を設定することにより供給者にとっての遵守コストを削減するとともに,企業が偽造品及び海賊版をサプライ・チェーンから排除することを助けることができる。

政府調達の保護

 G8政府は,重要インフラ,公務員及び公衆の衛生及び安全に対する偽造品及び海賊版によりもたらされる脅威を勘案するため,内部調達プロセスの見直しを必要に応じて確保する。例えば,これらのベスト・プラクティスは,供給者が政府に対して供給する産品・サービスに対して責任を持つことを要求し得る。政府はまた,公共調達におけるIPRに関する法令の適切な遵守を確保するためプロセスを必要に応じて見直す。

国境取締当局間の協力の強化

 G8政府は,各国の法・政策に整合的な方法で偽造品及び海賊版の輸入防止を助けるため,G8 INFO_IPRのような国境取締当局が迅速に偽造品及び海賊版の輸送に関する情報を共有することができる統合された警告制度を実施する継続中の努力を強化する。これらの努力は,関係国際機関,特に世界税関機構及び国際刑事警察機構と協調して実施されるべきであり,既存の税関間の協力及び相互支援取極を支援する。

偽造及び不正医薬品への対処

 G8首脳は偽造及び不正医薬品が公衆衛生に対してもたらす深刻な脅威に留意する。インターネットへのアクセスの増加は,偽造及び不正医薬品を製造及び頒布する新たな方法とあいまって,正当なサプライ・チェーンの保護に対する新たな課題を創出した。これらの取引プロセスが頻繁に国境を越えることに鑑み,G8首脳は,効果的にこの問題に対処するための国境を越えた協力を強化することを奨励する。この文脈において,偽造及び不正医薬品と闘うことは,ジェネリック医薬品の合法的な取引を阻害することを目的としない。

偽造及び不正医薬品に対する公衆の意識の向上

 G8メンバーは,特に世界保健機関(WHO)のような国際機関と協働することで,偽造及び不正の医薬品の危険に対する消費者意識に関する努力を強化するとともに,偽造及び不正医薬品を販売する不正な医薬品インターネットサイトに関する情報を,適切な場合に国内法令と整合的な形で,消費者に利用可能にする。

医薬品を販売する不正なインターネットサイトへの対処

 G8メンバーは,適切な場合及び国内法令と整合的な形で,偽造及び不正な医薬品を販売する不正なインターネットサイト(例えば薬局)に関して,利用可能な情報を交換することを誓約する。

偽造及び不正医薬品への対処に関するベスト・プラクティスの共有

 G8メンバーは,追跡探知システムを含むベスト・プラクティス及び偽造検出技術に関し,適切な場合及び国内法と整合的な形で,利用可能な情報を共有することを誓約する。

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