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タイにおける洪水被害に対する緊急援助について
(追加支援:国際緊急援助隊専門家チームの追加派遣)

平成23年10月26日

  1. 本26日(水曜日),我が国政府は,タイにおける洪水被害に関し,国際緊急援助隊専門家チーム(空港施設対応チーム)を派遣することを決定しました。今回派遣される専門家チームは,バンコクの空港施設の洪水時の維持管理について指導・助言するために,27日(木曜日),本邦から現地に向け出発する予定です。

    (1)東島 義郎 国土交通省 航空局 航空ネットワーク部 空港施設課 空港国際業務推進官

    (2)吉田 典史  国土交通省 航空局 安全部 空港安全・保安対策課 空港安全技術係長

    (両名は27日11時成田発,タイ航空641便に搭乗予定)
  2. タイでは,7月下旬からの豪雨により,北部,中部地方を中心として各地で洪水が発生し,家屋等の損壊,農地の水没により,多数の住民が避難する被害が生じています。現在,河川からの大量の水がバンコク都の北端に達し,バンコク縁辺部で一部冠水しています。タイ政府はバンコク中心部に浸水させないよう懸命の対策をとっています。
  3. 我が国は,タイとの友好関係にかんがみ,タイにおける洪水対策を支援するため,本件追加支援を行うこととしたものです。我が国政府は,引き続き,タイ側のニーズに応じてタイに対する支援について積極的に検討していく予定です。

(参考)

  1. これまで我が国はタイに対し以下の支援を実施(外務省・JICA分)。
    (1)10月10日,国際協力機構(JICA)を通じ,3,000万円相当の緊急物資(テント,浄水器等)の供与を決定。14日引き渡し済み。
    (2)10月14日,スリンASEAN事務総長から玄葉外務大臣への要請を受け,タイ及びカンボジアの洪水被害に際し,ASEANが派遣するアセスメントチームに,我が国からJICAの専門家1名を派遣することを決定(19日派遣)
    (3)10月18日,タイにおける洪水の被害状況の調査のため,JICA調査団の派遣を決定(19日派遣)
    (4)10月18日,国際協力機構(JICA)を通じ,2,500万円相当の緊急援助物資(救援ボート用船外機,ライフジャケット,仮設トイレ)の追加供与を決定。21日小島在タイ大使からインラック首相への引渡式を実施。
    (5)10月25日,国際救助隊専門家チーム(地下鉄施設対応チーム2名,上水道施設対応チーム2名の計4名)の派遣を決定。本26日,バンコク到着。
  2. タイにおける洪水被害概要
    7月下旬に,熱帯性低気圧及びモンスーンの影響で,大雨が降り始め,タイの北部,中部地方を中心に洪水が広い範囲で発生。被害は,タイ北部から,バンコクに向けた河川における水量の増加を伴いながら,徐々に南下している。現在,チャオプラヤー川に沿って北方から流れてきている大量の水がバンコク都の北端に達し,バンコク縁辺部で一部冠水。タイ政府はバンコク中心部に浸水させることなく海への排水を企図しているが,その成否は予断できない。バンコク都内の運河及びチャオプラヤー川岸で一部冠水はするも,中心部分は平穏。アユタヤ県を中心としたバンコク郊外の工業団地は,冠水し,日本企業の工場が大きな影響を受けている。雨期は終わりに近づいており,更なる大量の降雨は見込まれないが,タイ湾では,10月末頃,再度,大潮を迎えることから,依然警戒が必要な状況。
  3. タイ防災局発表による被害の状況(10月25日現在)
  • 死亡者数366名 行方不明2名
  • 被災者数2,469,639名
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