
国連人間居住計画(UN-HABITAT)によ
るイラク「学校再建事業」および「コミュニティ再建事業」
に対する緊急無償資金協力について
平成16年1月16日
- わが国政府は、1月16日(金)、イラクのバスラ、サマーワ、ナシリアおよびアマラにおける学校再建事業(6 09万6,268ドル)、およびバグダッド、サマーワ、キルクークにおけるコミュニティ再建事業(271万1,949ドル)を実施するため、国連人間居住計画(UN-HABITAT)に対し、総額880万8,217ドルの緊急無償資金協力を行うこととした。
- 現在イラクでは、戦時中の爆撃やその後の略奪・火事の被害により、多数の学校が再建困難な状況にあり、その結果、子供達は十分な教育を受けられない状態にある。また、居住環境についても、戦争やその後の略奪、また長期経済制裁により、貧困層や世帯主を失った家庭など弱者の人々は極度に老朽化が進んだ施設や崩壊の危険性すら伴った家屋を利用しているなど深刻な状況にあるため、迅速なる対応が求められている。
このような状況の下、今回の支援は、昨年10月に発表した、イラクの復興に対する当面の支援である総額1 5億ドルの無償資金の供与の一環として行うものであり、イラク南部において深刻な状況にある小・中学校等教育施設271校を修繕・再建することにより早急な授業の再開を実現させるとともに、社会的弱者、特に戦争や政治紛争等によって夫を失うなど世帯主を失った家庭の住宅や公共施設(3都市で計3,000戸)、更には生活インフラ(配電、給水、排水など)の修繕・再建を通じて地域コミュニティの再建を図るものである。
- 今回の事業は、地元住民の雇用を予定しているため、雇用機会の創出にも寄与することが期待される。
(参考)
国連人間居住計画(UN-HABITAT)
途上国におけるスラム問題、都市の過密、農村の過疎、都市計画、土地・住宅問題等、居住問題を中心とする広範な問題を専門的に担当する国連機関として、1978年に国連経済社会理事会の下に設置された。本部はケニア・ナイロビ。今回の事業では、国連人間居住計画のアジア太平洋地域の活動を管轄する福岡事務所の所長が統括することとなっている。