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アルジェリア地震災害への
国際緊急援助隊救助チームの派遣

平成15年6月2日


1.震災発生と現況


生存者を救出


救出したラドワン・ナレムワジ氏を見舞いに訪問した長谷川隊員(中央は同母親)
写真:国際協力事業団(JICA)提供


(1) 5月21日午後7時43分(日本時間22日午前3時43分)、アルジェリアにおいて、マグニチュード6.7の大規模地震が発生。震源地はアルジェの東方ブメルデス県で、同県を中心に多くの家屋が倒壊するなど甚大な被害に見舞われた。

(2) 22日、ブーテフリカ大統領が現地を視察。ウーヤヒア首相は、今回の地震を国家的災害と位置付け、アルジェリア政府は緊急対策本部を立ち上げて対応にあたっている。

(3) 30日夜、ゼルーニ内務大臣は、死亡者は2,266名、負傷者は10,000名以上と発表。

2.国際緊急援助隊救助チームの派遣及び活動


捜索・救助活動を行う国際緊急援助隊日本チーム


日本チーム救助犬による捜索活動
写真:国際協力事業団(JICA)提供


(1) このような甚大な被害に対し、我が国はアルジェリア政府の要請を受け、22日、外務、警察、消防、海上保安庁、JICAのメンバー61名よりなる国際緊急援助隊救助チームの派遣を決定した。同救助チームは、発災約18時間後には成田を出発、約39時間後には現地に到着し、活動を開始した。当初の約36時間は不眠不休の活動を行った。

(2) 現地時間23日(日本時間24日朝)、地震発生から52時間後、同救助チームは21才男性(ラドワン・ナレムワジさん:ホテル従業員)1名の救出に成功した。本件はチーム隊員(海上保安庁の長谷川隊員33才)が捜索活動中、瓦礫の下から人の声を聞きつけて、発見・救助に至ったものである(なお、トルコ救助チームと協力して行った)。

(3) 後日、石榑団長、長谷川隊員、福島隊員(医師)がナレムワジさんを病院に見舞った際には、同人及び母親からは何度も感謝の言葉が表明され、また、倒壊したホテルのオーナーからは、我が方団長に対し感謝状が手渡され、我が国緊急援助隊救助チームの誠意ある活動とプロフェッショナリズムが讃えられた。また、同救助チームの活動は現地アルジェリアの人々からも広く感謝され、隊員に対する差し入れ等も数回にわたり行われた。

(4) 同チームは最終的に上記1名の生存者を救出したのに加え、5名の遺体を収容する成果を挙げ、29日、日本に帰国した。
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