
西チモールにおける東ティモール難民問題解決のための
緊急援助について
平成14年2月5日
- わが国政府は2月5日(火)、インドネシア・西チモール(東ヌサ・トゥンガラ州)における東ティモール難民問題の解決を支援するため、インドネシア共和国政府に対し、総額538万6,000ドルの緊急援助(無償資金協力)を行うことを決定した。
- 今回の支援対象となるインドネシア政府のプロジェクト案件計3件および各プロジェクトに対する支援額は以下の通りであり、インドネシア政府が実施する難民キャンプ改修や公衆衛生施設改修、各種保健医療サービスの提供、再定住促進等に充てられる予定である。
(1)難民保健サービス計画 :339万6,000ドル
(2)キャンプ・メンテナンス計画 :135万ドル
(3)再定住計画 : 64万ドル
- 東ティモールでは、現在、国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)の下で、独立と国造りに向けたプロセスが進められているが、1999年の騒乱によって約29万人の住民がインドネシア、西チモール(東ヌサ・トゥンガラ州)に避難した。その後、多くの難民が東ティモールに帰還したものの、約8万人の難民が依然として劣悪な衛生環境の中でのキャンプ生活を余儀なくされている。インドネシア政府は、難民問題発生後から、これらの難民に対して食料、飲料水、諸手当、保健医療、教育などの諸サービスを提供してきている。しかし、経済の本格的な回復に取り組んでいる同国政府にとってこれらのサービスの提供は財政上の大きな負担になっていることから、同国政府は本年1月よりこれらのサービスの提供を打ち切ることを表明する一方、東ティモール難民問題の包括的解決のために国際機関と協力して、本年中に約6万人を自発的に帰還させ、残る約2万人を東ヌサ・トゥンガラ州内へ定住させる政策を明らかにした。
こうした状況を受け、昨年11月末にインドネシア政府と国連は西チモールにおける東ティモール難民問題解決のための共同アピールを発出し、国際社会に対して人道支援の要請を行った。
- 今般のわが国の決定は、このアピールに応え、人道的な観点より、特にインドネシア政府の取り組みに対して資金を拠出することとしたものである。本件支援については、先般インドネシアを訪問した小泉純一郎総理大臣よりメガワティ大統領に対して、直接支援の方針を伝えており、先方より高い期待と謝意の表明があった。
- なお、わが国はこれまで、東ティモール難民に対する援助として、世界食糧計画(WFP)や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、NGO(非政府組織)等を通じて約3,600万ドルの人道支援を実施してきている。