1.評価対象プロジェクト名:アデン放送局機材改善計画 |
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2.国名: イエメン共和国 実施機関:アデン放送局 |
3.援助形態: | 無償資金協力 97年度: 9.47億円 |
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5.現地調査実施期間:2001年3月28日~29日 |
6.プロジェクトの分野:通信・放送 |
7.政策目的又は政策の方向性:経済・社会基盤整備 |
8.プロジェクトの目的:
テレビ放送による情報伝達の強化・拡張を支援するため、アデン放送局の放送機材の整備を行い、アデン放送局の番組制作能力及び放送能力を増強するとともに、サナア放送局の機材との整合性をとり、両放送局の共同製作体制を強化することを通じ、イエメン国内におけるテレビ放送の質的向上と量的拡充を目的とする。 |
9.評価結果:
本計画は、第1次5ヶ年開発計画(1996~2000年)において重点項目とされたテレビ放送による情報伝達の強化を図るものであるが、放送分野の整備のみに留まらず、後発開発途上国(LLDC)であるイエメンが情報伝達の強化と同様に重視する基礎教育の拡充や識字率の向上といった人的資源の開発にも大きく貢献するものとして高い優先度を与えられた時宜を得たものといえる。
本計画による機材改善により、アデン放送局で制作された番組が増加し、サナア放送局との番組素材の交換が行えるようになった。具体的にはテレビ放送時間が27%増加し、また番組数が倍増した他、以前にはなかった生放送や視聴者参加番組を週8~10時間程度行えるようになるなど番組内容の量・質の両面における改善が見られている。教育関連番組も週6時間程度に増え、1700万人が広大な国土に小さな村落の形で散在するイエメンでは、学校などの教育施設が未整備である地域において、テレビ放送拡充による教育の普及効果は大きい。 |
10.提言(今後のフォロー・アップ、改善すべき点、政策的な観点からの提言):
機材据え付け・引き渡しは99年2月であり、供与機材は依然として新しく、大きな故障などなく全体的によく使用されている感じではあるが、先方からも要請があった通り、必要なスペアパーツによっては現地の市場では入手できないものもあり、自国内で調達可能な資機材を検討しつつ、今後修理に必要な資機材の供与の他、供与機材施設の保守運営管理指導のための専門家の派遣及びデジタル機材の利用・維持・修理に関する研修員受入れを図っていく必要があろう。
イエメンにおいては、まず水供給、保健・医療及び基礎教育といった基礎生活分野への支援が重要であり、これらの分野にも裨益する通信・放送分野への支援についても引き続き必要性を吟味しつつ適切に行っていく必要がある。 |
11.外務省(本省)からの一言:
テレビ放送を通じて我が国に関する情報の伝達も拡充できることから、機材供与だけではなく、番組など放送内容の提供等のソフト面におけるフォローアップについても留意していくと同時に、維持管理の重要性にも鑑み、今後運営管理指導のための専門家、機材の利用・維持・修理に関する研修員の受け入れ等につき検討していきたいと考えています。また、修理に必要な資機材の確保については、先方の自助努力を促すことさも重要であり、先方の財務状況などを踏まえ、慎重に検討していきたいと考えています。 |