広報・資料 報告書・資料

ベトナム・北部地方橋梁改修計画

1.評価対象プロジェクト名:北部地方橋梁改修計画

(クリックすると画像が変わります)

2. 国  名:ベトナム
実施機関:交通運輸省第18計画管理局
3. 実施形態:一般無償資金協力
実施年度:95年~98年 37億6千万円
4.評価実施機関名:在ベトナム日本国大使館
5.現地調査実施期間:2001年4月4日~6日
6.プロジェクトの分野:運輸・交通
7.政策目的又は政策の方向性:
 電力・運輸等のインフラ整備
8.当該プロジェクトの目的:
 橋梁整備が著しく遅れているベトナム北部山岳地域の16省において、21橋梁の建設及び8橋の鋼げた供与を行うことにより、地域住民の日常生活の向上、停滞している経済活動の活性化を図る。
9.評価結果:
 今回の評価ではソンラ省で建設された3橋(建設1橋、鋼げた供与2橋)について調査を行った。この3橋梁は当初の計画通り建設され、約33万5千人の住民の利用に供されている。
 本計画以前の橋梁は、長年の戦争の影響や財源の不足により簡易な鉄、木製の貧弱なものであり、雨期には水没、破壊され交通が遮断される状況であったが、本計画によりいずれの橋梁もこれまで不可能であったトラック、大型バスの通行が可能となり、また雨期でも安全に通行できるなど、一年を通して安定した交通の確保が図られており、地域の社会・経済の発展に大きく貢献していることが確認できた。
 本計画の具体的な効果としては、雨期における急病人の運搬が確実かつ迅速に行い得るようになったこと、児童の通学が安心して出来るようになったこと、コーヒー等の農産物が効率的かつ安定的に運搬できるようになったこと、大型の建設機材や物資が運搬できるようになり学校・市場等の社会インフラ整備の推進が図られるようになったことなどが確認できた。
 また、本計画の実施により質の高い橋梁建設に対する技術移転が図られており、ソンラ省では本橋梁をモデルとした橋梁整備の計画を策定している。
 なお、ソンラ省の人口の約7割は少数民族が占めているが、本計画はベトナム政府の最重要課題である少数民族の福祉向上、貧困対策の観点からも重要な役割を果たしている。
10.提言(今後のフォローアップ、改善すべき点、政策的な観点からの提言):
 ベトナムにおいては、特に地方の橋梁整備が著しく遅れており、地域住民の日常生活、経済活動に大きな支障を来している。このため橋梁の整備はベトナムの地方開発及び持続的な経済発展にとって必要不可欠な分野であるとともに、貧困対策という人道的な面からも効果は大きく、協力の意義は大きい。また、極めて基礎的ニーズに対応した協力分野であることから確実に効果が発現される支援である。
 しかしながら、今後さらに効果を発現させるため、橋梁のみならず道路網の整備をあわせて行うことが重要である。このため、円借款等他事業と連携強化を図るなど、総合的な道路インフラ整備として協力を行うことが望まれる。
11.外務省からの一言:
(1) 本案件に引き続き、メコンデルタ地域において平成13年度から地方橋梁の整備を行っている。
(2) 道路網整備を効率的に行い活用していくために、ベトナム側の技術力で十分対応可能な一般部分については、施工用の機械等の機材供与により自助努力を促すと共に、交通安全教育や維持管理等ソフト面についての技術移転を行うことも、今後の重要な課題である。


このページのトップへ戻る
目次へ戻る