1.評価対象プロジェクト名:
ストリート・チルドレン職業訓練センター機材供与計画等事業 |
(クリックすると画像が変わります)
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2.国名:ベトナム |
3.援助形態: |
(1) |
草の根無償資金協力、
95~96年度、7万3000ドル |
(2) |
JICA開発福祉支援事業、
98~99年度、6000万円(一部のみ) |
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4.評価者:南条 俊二 読売新聞社論説委員 |
5.現地調査実施期間:2000年2月29日 |
6.プロジェクトの分野:社会福祉 |
7.プロジェクトの目的:
ベトナム中部の旧都、フエ市内のストリートチルドレンなど生活困窮児童の生活、就業を支援する。 |
8.評価結果:
(1) |
日本のNGO「ベトナムの「子どもの家」を支える会」がフエ市人民委員会と進めているプロジェクトに協力、同市地域の「子どもの家」の建設、ベッド、ミシン、コンピューターなどの機材一式を「草の根無償資金協力」により協力、さらに「開発福祉支援事業」として児童図書、音楽教育用キーボードの寄贈、さらに日本語教室、海外教室などの施設を増築した。現在、62人の子供たちを収容し、元気に通学し、勉学や技術習得に励んでいる。 |
(2) |
プロジェクトの推進に当たっては、フエ市人民委員会が土地と職員を提供、施設建設は「支える会」と富士宮市中央ライオンズクラブ、日本政府、機材は日本政府が提供するなど、内外の連携が大きな成果を挙げている。地元のテレビ局、新聞もたびたび、その活動を報道して、市民の間に浸透している。地元の大学生や僧侶、理髪店経営者などが活動に協力、昨年秋の水害時には、市民からコメ200キログラムが寄贈されるなど、このプロジェクトを機に、ボランティア活動も育っている。 |
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9.提言(今後のフォロー・アップ、改善すべき点等):
(1) |
日本政府の草の根無償援助とJICA開発福祉支援事業がうまく繋がって、地元の人々に「顔の見える援助」として、成果を挙げている。今後の支援事業のモデルとして活用すべきだ。 |
(2) |
今後は、日本からの人的資源を継続、充実していく必要があるが、その場合、NGOとともに、青年海外協力隊の若い力の活躍が望まれる。ただし、ベトナムにおける協力隊の活動は開始されて5年余りであり、ベトナム政府や地方政府、人民委員会にまだその趣旨が十分に理解されていない。ハノイ、ホーチミン両市で始まった活動を通して理解を得るとともに、日本政府としても相手側に正しい理解を求める必要がある。
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(3) |
フエ市の財政能力を充実させ、日本からの支援頼みをいつまでも続けることのないように、自らの財政力で企画、運営できるよう、自立を支援することを今後の課題として考えることも必要と思われる。 |
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10.外務省からの一言:
評価者の指摘にもある通り、草の根無償援助、NGO、JICA事業がミックスされて効果的な援助効果を生んだモデルであり、今後の支援事業に十分活用したい。
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※
なお、この評価報告は評価者が第3者である個人の責任において作成したもので
、外務省の意見ではありません。