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ベトナム・カントー大学農学部改善計画

1.評価対象プロジェクト名:カントー大学農学部改善計画

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2.国名:ベトナム
3.援助形態: 無償資金協力, 93~95年度、23.6億円
4.評価者:南条 俊二 読売新聞社論説委員
5.現地調査実施期間:2000年3月3日~4日
6.プロジェクトの分野:農業
7.プロジェクトの目的:
 ベトナム随一の農業地帯、メコン・デルタの農業生産の改善に大きな役割を果たすカントー大学農学部の施設、機材を抜本的に改善、充実する。
8.評価結果:
 (1) 1968年に発足したカントー大学農学部は、講義棟など施設が老朽化し、機材も不足して、その使命である教育、研究活動に支障を生じていた。改善計画によって、農学科など3学科の共同講義棟、実験棟など施設が新設され、ゆとりをもって教育、研究活動ができるようになった。各種施設は今も清潔に維持され、教員、学生に好評を得ており、外部機関とのセミナーなど広がりをもった活動にも活用されている。
 (2) 機材も実験、研究用に1万点が贈与された。それまでは、南ベトナム時代の創立当初に日本から寄贈された機材が主体で、現在の基礎研究などに十分対応できなくなっていた。今回の贈与により、学生達が自分で実験などに機材を使用する機会が増え、教員も突っ込んだ研究ができるようになった。ただし、機材の一部が故障して利用されていないなど維持管理に改善の余地がある。
9.提言(今後のフォロー・アップ、改善すべき点等):
 (1) 現在、JICAのプロジェクト調整員の手で改善指導が行われているが、機材の維持管理を自らの手で十分に行う体制の確立、運用ができるようにする必要がある。
 (2) 改善計画に続いて、「農業における環境教育向上ミニ・プロジェクト」が1999年4月から2003年3月の予定で始まっているが、施設・機材の充実とともに、こうしたソフト面での協力がますます重要になっている。大学当局も、相互留学などの拡充を望んでいる。農水省の研究所から3人の研究員が大学の研究所に出向して、長期研究を進めているが、ミニ・プロジェクトと研究課題で共通した部分も多く、連携を強める必要がある。
10.外務省からの一言:
 (1) 一部修理が必要な機材については、今年3月から、JICAフォローアップ事業の中で補修部品の供与を順次行っており、修理後有効に活用されることとなる。
 (2) 評価者の指摘にある通り、ソフト面での協力を強化するとともに研究員との連携を強化したい。

なお、この評価報告は評価者が第3者である個人の責任において作成したもので 、外務省の意見ではありません。

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