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平成16年度
ウズベキスタン・カザフスタン国別評価

1. テーマ:ウズベキスタン・カザフスタン国別評価

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2. 国名:ウズベキスタン、カザフスタン
3.評価実施者等
(1) 評価主任:
 高千穂 安長 玉川大学経営学部教授 
 (外務省ODA評価有識者会議メンバー)
(2) 監修者:
 輪島 実樹 ロシア東欧貿易会ロシア東欧経済研究所調査役
 岡 奈津子 アジア経済研究所研究員
(3) 評価業務従事者
 長尾大輔 新日本監査法人ODA部マネージャー
 スズキ S.. ヒロミ 新日本監査法人ODA部コンサルタント
4.評価実施期間:2004年8月~2005年3月
5.評価の目的
 ウズベキスタン・カザフスタンに対する我が国援助の動向、政策全般をレビューし、両国に対する国別援助計画の策定と今後のより効果的・効率的な援助の実施にとって参考となる教訓・提言を得るとともに、評価結果を公表することで説明責任を果たすことを目的とした。
6.評価対象・実施要領
 評価対象期間は、橋本総理(当時)が「ユーラシア外交」を提唱し、「シルクロード地域」に対する関係を強化していく方針を提示した1997年度から、2003年度までとした。評価対象は、我が国と、ウズベキスタン、カザフスタン両国との間で実施されたそれぞれ3回の二国間政策協議の対処方針およびその結果とした。なお、評価は外務省の「ODA評価ガイドライン」に従い、「目的」、「プロセス」、「結果」の3つの視点から実施した。
7.評価結果
 対たのス点的に支援しているンの経済改革に寄与してきたと考えられる

<ウズベキスタン>
(1) 対ウズベキスタン援助政策の「目的」の妥当性の評価結果
 二国間政策協議で合意された援助重点分野( 1)市場経済化の促進、2)インフラの整備、3)社会セクターの再構築)は、我が国援助の上位政策である(旧)ODA大綱、シルクロード地域外交アクションプラン、(旧)ODA中期政策における中央アジア・コーカサス地域該当部分のそれぞれの基本理念および重点課題と整合している。但し、これら援助に関する政策文書や二国間政策協議議事録には、中央アジア・コーカサス地域の地政学上・資源確保上の重要性、とりわけウズベキスタンの重要性、さらには、援助に求められる役割について簡単な言及を越えた具体的な説明はなされていない。
 二国間政策協議対処方針の重点分野を、評価対象期間中に策定されたウズベキスタンの年次国家計画、大統領令(2000年6月)、各種インフラ政策・プログラム、「国家保健改革プログラム1998-2005」・「人材育成国家プログラム」といったセクター別開発計画に示された開発ニーズと比較した結果、二国間政策協議対処方針の重点分野はウズベキスタンの開発ニーズを適切に反映していた。
 また、我が国の二国間政策協議対処方針は、主要他ドナーの援助重点分野と合致している。但し、他ドナーの中には、地域内協力を重点分野の一つとしているケースや、民主化を直接支援する活動を積極的に行っているケース、借款に人権関連のコンディショナリティを課すケースもあった。
(2) 対ウズベキスタン援助政策の策定・実施「プロセス」の適切性の評価結果
 二国間政策協議対処方針の策定プロセスの適切性に関して、第一回、第二回の二国間政策協議に向けての事前準備活動に関する情報は得られなかったが、第三回の二国間政策協議については、事前の情報収集・分析が実施され、二国間政策協議結果も両国の適切な体制のもとで合意されたと判断される。なお、第一回、第二回二国間政策協議対処方針に関しては、ウズベキスタンとカザフスタンの二国間政策協議対処方針がほぼ同じ内容となっており、事後的に見ると、両国の情勢をそれぞれの国に対する対処方針により反映する余地があったとも考えられる。但し、1990年代は、世界的な潮流として、中央アジア諸国への援助政策上「市場経済への移行支援」が最大の課題であった時期であり、我が国が両国の国情の差を分析し、それぞれに対して個別の対処方針を打ち出すことは困難であった可能性がある。
 二国間政策協議対処方針に基づく政策協議の結果は、JICAの対ウズベキスタン国別事業実施計画、JBICの中央アジア地域に対する地域別方針に適切に反映されている。JBICは、地域別援助方針が作成される以前も、政策協議結果を考慮しながら案件形成を行っていた。また、過去の案件形成・要請・採択プロセスを直接確認できる情報は入手できなかったが、現時点では、現地日本大使館や在ウズベキスタンJICA事務所が調整役となり、二国間政策協議の結果を案件の形成・要請・採択・実施プロセスに反映させていることが分かった。
 我が国の援助実施体制については、対外経済関係庁を援助受入窓口として、現地日本大使館およびJICA事務所が現地での活動の取りまとめを行ってきている。また、2003年の現地ODAタスクフォース設立により、現地主導で政策協議を実施することが可能となった。したがって、日本側の現地での援助実施体制は、これまで相応に整備されてきたと評価できる。一方、ウズベキスタン側の援助受入体制については、案件形成に関する体制は形の上では整備されているものの、援助事業に関連した経験の不足・政府部局の人員不足等の問題点が指摘されており、運用状況は十分ではない。
 我が国援助スキーム間の連携としては、有償資金協力および無償資金協力と技術協力との連携が図られ、青年海外協力隊、シニア海外ボランティアが草の根無償案件を発掘するケースもあり、援助スキーム間の連携を考慮した援助活動が実施されてきたと判断できる。また、他ドナー、国際機関との連携に関しては、必要に応じて、連携を考慮した援助活動が実施されてきた。なお、NGOとの連携についても、小規模ながら実施されている。
(3) 対ウズベキスタン援助政策の「結果」の有効性・インパクトの評価結果
  • 「市場経済化移行支援分野」: この分野に含まれる活動の殆どは人材育成事業であり、明確な社会的・経済的インパクトを把握できるだけの十分な時間が経過していない場合が多い。しかし、専門家派遣事業では一定の成果が確認できる案件もあり、ウズベキスタンの市場経済化移行に係る政策にインパクトを与えていると考えられる。
  • 「インフラの整備分野」: 我が国の資金協力は、特にインフラ整備分野においてウズベキスタンの国家歳出に対する比率が大きい。インフラ整備分野では有償資金協力が活用されていることから、同スキームのインフラ整備に対する貢献が大きくなっている。我が国のこの分野における支援で、事業が完了した案件としては航空事業・鉄道事業案件があり、双方とも一定の成果、および正の社会的インパクトが認められる。
  • 「社会セクターの再構築分野」: 1)保健医療に関して、我が国援助はウズベキスタンの保健医療の改善、政策策定に対して貢献しており、正のインパクトが認められる。2)教育に関しては、草の根無償で教育機関に供与された機材が十分に活用されている等、ウズベキスタン教育分野の開発に寄与しており、成果が認められる。ただし、教育分野における援助の全体的な効果発現には時間を要するため、我が国が実施した事業がウズベキスタン全体の人材育成に与えたインパクトを明確に把握するには至らなかった。3)農業技術に関しては、食糧増産援助で贈与された生産資機材は従来利用されていたものと比較して生産性が高く、また、同援助が開始された1997年から2001年まで、農業部門の実質国内総生産はプラス成長を継続していたことから、食糧増産援助がなんらかの正のインパクトを与えているものと推定できる。

<カザフスタン>
(1) 対カザフスタン援助政策の「目的」の妥当性の評価結果
 二国間政策協議で合意された援助重点分野( 1)人材育成・制度づくり、2)経済・社会インフラの整備、3)体制移行にともなう社会的困難の緩和)は、(旧)ODA大綱、シルクロード地域外交アクションプラン、(旧)ODA中期政策における中央アジア・コーカサス地域該当部分のそれぞれの基本理念および重点課題と整合している。但し、これら援助に関する政策文書や二国間政策協議議事録では、中央アジア・コーカサス地域の地政学上・資源確保上の重要性、とりわけカザフスタンの重要性、さらには援助に求められる役割について、簡単な言及を越えた具体的な説明はなされていない。
 一方、現在カザフスタンは、石油価格の高騰を背景として財政的にも余裕があり、今後、ODAだけでは対カザフスタン外交に関連して十分な成果が得られなくなる可能性もある。よって、今後は、我が国の対カザフスタン政策の目的を踏まえ、同国の発展を更に促進するための手段として、海外直接投資や貿易を促進する方策も考慮し、我が国全体としての対応を検討する必要がある。
 二国間政策協議対処方針の重点分野と、カザフスタンの国家開発計画の長期的なフレームワークである「2030年のカザフスタン」の優先事項の比較を行った結果、二国間政策協議対処方針はカザフスタンの優先事項に合致していることが分かった。一方、評価対象期間において、カザフスタンで重要視されていた国家開発計画である「中期政策プログラム(1998-2000)」、および「2010年までの発展計画」との整合性も確認できた。したがって、二国間政策協議対処方針は、総じてカザフスタンの開発計画と整合していると判断できる。なお、2003年3月に採択された「産業革新プログラム」は、製造業の育成を通じた経済の多角化を目指しているところ、今後の対カザフスタン援助においては、これを十分考慮する必要がある。
 一方、二国間政策協議対処方針の内容は、主要他ドナーの援助重点分野とほぼ同じであり、国際的な援助の流れに合致している。また、カザフスタンでは現在、資金的な援助ニーズは顕在化しておらず、むしろ技術的な援助により、資金の活用方法に関する技術移転を行っていくことが重要であるという点で、各ドナーのカザフスタンに対する認識は共通している。
(2) 対カザフスタン援助政策の策定・実施「プロセス」の適切性の評価結果
 二国間政策協議対処方針の策定プロセスの適切性に関しては、ウズベキスタンと同様の結論が得られた。しかし、カザフスタンの場合、近年石油価格の高騰等を背景として国情が変化しているにも係わらず、第三回二国間政策協議結果の援助重点分野は第一回および第二回政策協議結果の援助重点分野と類似したものとなっている。事前の情報収集および分析結果によって得られた近年のカザフスタンの情勢認識が、対処方針作成の際に十分考慮されなかった可能性があると推測される。
 カザフスタンにはJICA現地事務所が存在しないため、JICAの国別事業実施計画は作成されていないが、今回の現地調査を通じ、我が国援助の上位政策や二国間政策協議結果の重点分野は、案件の形成・要請・採択・実施プロセスに反映されていることが分かった。JBICにおいては、地域別援助方針に二国間政策協議結果が反映されており、同地域別援助方針が作成される以前も、同政策協議結果を考慮しながら案件形成を行っていた。
 また、我が国の援助実施体制については、現地日本大使館が新首都アスタナへ移転したこと、および、技術協力協定が締結された暁にはJICA事務所がアスタナに開設される予定であることにより、案件形成・要請等の手続きの効率化が可能になると考えられる。なお、現在現地ODAタスクフォースは正式には立ちあがっていないが、現地ODA政策協議という形で先方政府と協議を実施している。
 一方、ODAに関する重要な活動としてPR活動があるが、カザフスタンにおける我が国ODAに対する認知度は決して高くない現状である。
 カザフスタン側の援助受入窓口である経済予算計画省の援助受入体制は、形の上ではある程度整備されているが、政策実施過程での経験や知見を持つ人材が不足しているといった問題が生じている。一方、無償資金協力や技術協力の実施に際しては免税措置の適用が必要であが、免税措置についてカザフスタンでは国会の批准が必要とされているため、時間を要するという問題も生じている。
 カザフスタンにおける我が国援助スキーム間の連携については、円借款案件に関連する分野の専門家の派遣、開発調査が円借款事業に繋がるケース等がある。他方、他ドナーとの連携については、ドナー間の非公式な会合等は行われているが、情報交換活動に留まっており、また、NGOとの協力に基づく案件も限られている。
(3) 対カザフスタン援助の「結果」の有効性・インパクトの評価結果
  • 「人材育成・制度づくり分野」: この分野における我が国援助の成果は認められたものの、カザフスタンの市場経済移行に与えたインパクトを明確に把握するには至らなかった。しかし、経済改革が着実に進んでいるカザフスタンにおいて、我が国の援助は市場経済移行に一定の正の社会的・経済的インパクトを与えていると推測できる。一方、現在は、より絞りこまれた目標に対して実際の援助活動が実施されていることから、カザフスタンの援助ニーズはより高度化し、実務的となっている傾向がうかがわれる。したがって、今後はカザフスタンが取り組んでいるWTO加盟に関する支援、政策金融や中小企業育成・振興などを重視した取組みを進めることが望ましい。
  • 「経済・社会インフラの整備分野」: 我が国の資金協力は、運輸・通信分野におけるカザフスタンの国家歳出に対する比率が大きい。同分野における資金協力には有償資金協力が活用されており、同スキームがカザフスタンの運輸・通信分野の開発に与えるインパクトが大きいことが分かる。また、事業が完了した鉄道案件についても、正の経済的インパクトが認められた。
  • 「体制移行にともなう社会的困難の緩和分野」: 1)医療分野における我が国の取り組みは、セミパラチンスク地域における事業を始めとして、カザフスタンの医療水準の向上に一定の貢献をしており、援助活動の有効性が認められる。また、我が国のカザフスタンに対する援助には、新しい医療技術の導入等の社会的インパクトが認められる。2)環境に関しては、我が国の支援により水質モニタリングシステムが導入された等、一定の成果が認められる。同モニタリングシステムの導入により、政策策定能力開発に寄与した点で、状況が悪化しつつある同国の環境分野に対して正のインパクトを与えたものと判断できる。
8.提言

<ウズベキスタン・カザフスタン両国に共通する提言>
  • 経済協力の意義に係る提言: 援助に関する政策文書等には、ウズベキスタン、カザフスタンが含まれる中央アジア地域の重要性について、簡単な言及を越えた具体的な説明はなされていない。したがって、両国に対する経済協力の意義を明確にするためにも、中央アジア地域、とりわけウズベキスタン、カザフスタンの重要性に関する分析結果を、それぞれの国別援助計画の中で説明していく必要がある。また、同地域の重要性に関連して、援助に期待される役割についても国民に説明する必要がある。経済協力の意義を明確にすることで、我が国全体としての対ウズベキスタン、対カザフスタン外交政策の調整を行い、援助重点分野の絞り込み、あるいは必要とされる分野の追加を行い、経済協力の方向性を更に効果的に定めていくことが可能になると考えられる。
  • 経済協力の方向性に係る提言―中央アジアにおける地域内協力の促進: 我が国が中央アジアの地域経済協力強化を支援していく際には、各国に特有の事項に対して留意する必要がある。例えば、ウズベキスタンについては、隣国との意見調整や国境管理等、解決すべき課題が多く残されている。カザフスタンについても、他の中央アジア各国との開発レベル・関心事の違いを考慮することが必要である。

<ウズベキスタン>
  • 経済協力の方向性に係る提言
    a) 総合的な開発計画策定に関する働きかけ・支援、および当面の対応: ウズベキスタンが安定的・持続的成長を実現するためには、中期的な総合開発計画を策定し、民間も含めて関係者が目標を共有した上で着実に開発努力を進めていく必要がある。したがって、今後も継続的に、ウズベキスタン側のオーナーシップに基づく国家開発計画作成を助言するとともに、専門家派遣・研修員受入等により、この分野での支援を継続していく必要がある。
    b) 援助受入体制を含む全般的な行政能力向上のための支援: ウズベキスタンの援助受入体制はある程度整備されているが、援助事業に関連した経験の不足・政府部局の人員不足等の問題等が生じている。したがって、必要に応じて専門家を派遣し、行政能力向上、人事政策改善を継続して支援していくことが必要であろう。
    c) 統計データの公表・整備に関する働きかけ・支援: 統計データは、総合的な開発計画策定の基礎となることに加え、二国間政策協議の際の重要なツール・指標ともなる。専門家派遣・研修員受入等により、ウズベキスタン側統計データの信頼性向上に向けた支援を継続していく必要がある。
    d) 「市場経済移行支援」分野における基本方針の再検討: 今後も、安定的で継続した市場経済化移行支援を行うことが重要であるが、その際、我が国として、ウズベキスタンに対する「市場経済化移行支援」における軸足をどこに置くのかを(つまり、これまでのようにウズベキスタンの市場経済化への積極的方向転換に備えた人材育成支援を中心とするのか、それとも市場経済化のより一層の推進を積極的に呼びかけるのか)政策レベルにおいて明確にし、その上で、必要となる支援メニューを検討することが今後の効果的・効率的な支援につながると考えられる。
    e) インフラ整備分野支援におけるソフト面での支援の強化: これまでに我が国の支援により整備されたインフラを更に有効活用するために、ソフト面での支援(ノウハウの提供等)を充実させる必要がある。例えば、運輸セクターの総合的政策策定への支援や、空港事業と観光産業開発との連携、経営やマーケティング能力強化等に必要なソフト面の支援が重要であろう。
  • 経済協力実施上の留意点に係る提言
    a) 他ドナーとの連携: 他ドナーとの連携を必要に応じて引き続き実施していくことは新ODA大綱の基本方針にも適っており、望ましいと考えられる。
    b) 食糧増産援助(2KR)の見返り資金: 食糧増産援助(2KR)の見返り資金積立が十分になされておらず、食糧増産援助の本来期待される効果が減じている可能性がある。今後も、ウズベキスタン側に対して、見返り資金の積立を継続して要請していく必要がある。

<カザフスタン>
  • 経済協力の方向性に係る提言
    a) 援助受入体制を含む全般的な行政能力強化向上のための支援: カザフスタンの政策実施過程での経験不足に対処すべく、必要に応じて専門家を派遣し、政策実施能力向上を継続して支援していくことが考えられる。
    b) 資源偏重経済からの脱却支援: カザフスタン側が経済の多角化を図る目的で策定した「産業革新プログラム」を重視していること、また、市場経済化の進展に伴い、これまでより一層実務的で絞り込まれた援助ニーズが存在することを十分に考慮し、高度技術の移転等、我が国の援助の優位性を活かしつつ、同プログラムで明示されているカザフスタンのニーズにより即した形で、方向性を明確にした援助メニューを検討する必要があろう。
    c) 技術協力の強化、および既存の協力により建設されたインフラの有効活用: 現在、カザフスタンは石油産業の発展、石油価格の高騰により、資金協力に対するニーズは顕在化しておらず、むしろこの資金の活用方法に関する技術移転が求められている。このような背景をもとに、新規の有償資金協力案件の形成にあたっては、技術移転分野を強化し、カザフスタン側のニーズをより的確に捉えた案件発掘・形成を目指す必要がある。また、これまでに我が国の支援により建設されたインフラの有効活用のためにも、経営を含むソフト面での技術協力を積極的に行っていく必要があると考えられる。
    d) 保健医療指標数値、医療環境の悪化に対する支援: カザフスタンの保健医療分野が抱える課題は多く、今後我が国としても、同国政府との協議を更に深め、我が国が果たすべき役割、援助資源を投入すべき地域等を明確化し、他ドナーの動向も踏まえながら、これら諸問題の解決に積極的に取り組む必要がある。
  • 経済協力実施上の留意点に係る提言
    a) NGOとの連携: NGOとの協力に基づく援助活動は、我が国の援助を更に効果的・効率的にする可能性がある。したがって、他ドナーの例を参照し、信頼できるNGOの選定基準を明確に設けることにより、NGOとの連携による事業の可能性を広げる必要がある。 b) 免税手続の改善: 技術協力については、技術協力協定の国会批准が速やかに行われるように引き続き要請していくとともに、無償資金協力についても、免税手続の迅速化を引き続きカザフスタン側に要請していく必要がある。
    c) PR活動の更なる強化: これまでにも広報活動が実施されてきているものの、カザフスタンにおける我が国ODAの認知度は必ずしも高くない模様であり、広報活動の方法・内容を再検討し、本活動をさらに改善・強化していくことが必要であろう。
注) ここに記載されている内容は評価実施者の見解であり、政府の立場や見解を反映するものではありません。


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