(2000年3月、在シリア日本国大使館)
<プロジェクト概要>
援助形態 |
無償資金協力 |
協力年度 |
94年度 |
協力金額 |
5.68億円 |
相手国実施機関 |
供給省 |
協力の内容 |
シリア国の食品検査所における食品管理は未だ体制・機材が十分に整備されていないことから、十分な検査が行われていない。食品検査の精度・技術をレベルアップするために、シリアにおける食品品質管理の実施機関である供給省技術局の主要4食品検査所(ダマスカス中央検査所、ホムス検査所、アレッポ検査所、ラタキア検査所)に対し、ガスクロマトグラフ、高速液体クロマトグラフ、原始吸光分光光度計等を主体とした分析装置及び分析に必要な設備・器具類等を供与した。 |
<評価要旨>
1. 効率性
本プロジェクトの実施に際し、シリア国供給省は総合的な食品の安全監視制度を発足・実施させ、これにより本プロジェクトによる食品検査業務の効果的且つ効率的実施効果が得られた。また、実施に当たっては農業省、工業省等関係省庁と連携を取りつつ進められた。
2. 目標達成度
各検査所に供与された機材の使用頻度は高く、8割以上がほぼ毎日使用されている。また、本プロジェクトの実施に際し、分析すべき計画サンプル件数を設定したが、これに対する実績値は目標値を上回っており、初期の目標は達成されている。
3. インパクト
本プロジェクトにより、主要4ヶ所の食品検査所の機能向上が図られ、より広範な食品を対象により迅速且つ信頼性の高い検査業務が行われることになった結果、シリア国民に供給される食品の安全性確保が行われたことは極めて大きなインパクトを与えたと思われる。
4. 妥当性
本プロジェクトが実施された4食品検査所は、当国の主要4都市に位置しており、先方供給省のニーズに基づき選定されたものである。また、プロジェクトの規模としての各機材の数量、種類についても、基本設計時及び実施時の段階において先方供給省と十分検討を重ねた結果選定されたものであり、妥当であったと思われる。
5. 自立発展性
各検査所の要員数については、当初の目標値をほとんど上回った要員が配置されており、これにより自立的かつ効率的な分析作業が行われている。また、機材維持管理については、効率的な機材運用が図られるよう、独自に専任者を各々1名配置している。
6. 環境及びジェンダーへの配慮・影響
本プロジェクトの実施による水質汚濁等の影響は発生していない。今後とも食品検査所における更なる総合的廃棄物処理システムの構築、全職員の環境保護に対する意識向上等について、取り組んでいく必要があるものと思われる。