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国別援助方針」とODA大綱やODA中期政策との位置付けおよび策定基準の明確化国別援助方針とわが国ODAの上位政策や相手国のニーズとの整合性を図るため、「国別援助方針」の我が国援助政策全般の中での位置付けを明確化するとともに、その策定基準を基準自体の優先度も含めて検討すべきと考えられる。
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より幅広い意見の聴取の維持促進
ODAの透明性・公開性や、効果的な政策を策定する上でも、幅広い意見聴取の促進が望ましい。
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「国別援助方針」と実施機関の援助方針との位置付けの明確化
わが国の援助政策における上位目標を明確化するために、「国別援助方針」と実施機関の援助計画の位置付けを明確にすることが望ましい。例えば、国別援助方針は実施機関の援助計画の上位政策であり、実施機関はこれを具現化するものとして援助実施計画を策定することが明確に定められれば、国別援助方針の上位目標が実施機関の援助方針・計画に確実に反映され、わが国援助政策の上位目標が明確になる。
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「国別援助方針」の目標の体系化
国別援助方針の確実な実施につなげるために、「国別援助方針」の内容をより明確にすることが必要であると考えられる。例えば、援助方針に援助政策目標、重点セクター目標、サブセクター目標がその達成度を測る指標(定量指標及び定性指標)が明記され、さらに開発課題を達成するためにどのように支援するかという方法論や優先順位がより具体的に示されていれば、関係者の共通の理解に基づく案件形成が行われ、国別援助方針の確実な実施、援助のより効率的な実施に貢献できる。
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「国別援助方針」の見直し過程の明確化と基準の設定
スリランカ側のニーズやわが国の援助政策の変化に柔軟に応え、援助効果を高めるためにも、具体的な見直し過程やその基準を設定することが望ましい。
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「国別援助方針」の評価の実施
「国別援助方針」の実施を確保するために、その進捗度合いを定期的に測定し、評価することが重要である。それにより、国民や対外的に援助の透明性を確保できると考えられる。
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「国別援助方針」の記載事項の改善
援助方針の内容をより充実したものにするため、相手国の行政のあり方(関係省庁の連携の必要性など)など、実施機関や専門家などの経験に基づいた留意点や、実施過程で自立発展性を高める方法が記載されていることが望ましい。
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