1.評価対象プロジェクト・プログラム名:難民支援プログラム
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(クリックすると画像が変わります)
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2. |
国 名:パレスチナ自治区
実施機関名:UNRWA、パレスチナ障害者リハビリテーション協会
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3.援助形態
プロジェクト名 |
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ガザ・ビーチキャンプ下水道網改善、ビーチ難民キャンプ障害者教育センター建設計画、ビーチ難民キャンプ障害者教育センター機材供与計画
(「下水道網改善」の写真はこちらをご覧下さい) |
実施形態 |
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UNRWA拠出、草の根無償資金協力 |
実施年度 |
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95年度、96年度、97年度 |
協力金額 |
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約1億7,000万円、約880万円、約206万円 |
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4.評価実施機関名:在イスラエル大使館
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5.現地調査実施期間:2001年 3月12日~2001年3月15日 |
6.プロジェクト・プログラムの分野:その他(難民支援)
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7.政策目的又は政策の方向性:パレスチナ難民の生活環境の向上 |
8.当該プロジェクト・プログラムの目的:
パレスチナ難民支援の経済・社会状況の向上は、人道目的のみならず、地域の安定のためにも重要な課題として、我が国はUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)を通じた支援を始めとして様々な支援を行ってきている。ビーチ難民キャンプはガザで最も人口密度の高い難民キャンプ(一人当たり面積6.8m2として衛生・教育を始めとする様々な開発課題を抱えていたのに対し、下水道網の改善による衛生環境の改善(下水道普及率の向上、寄生虫病率の低下等)、障害者教育センターの改善による教育環境、障害者福祉環境の改善(センターの収容能力向上等)を目的とする支援を実施したもの。
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9.評価結果:
(1) |
下水道網プロジェクトについては、当初計画の通り、下水・排水施設が完成し、3000世帯、19,000人(キャンプ全体の28%)がその恩恵を受け、185,000m2(キャンプ面積の35%)がカバーされた。また、その結果、ビーチ・キャンプの小中学生における回虫蔓延率が57.6%(94年)から16%(99年)となる等、プロジェクト実施前と比較して大幅な保健状態の改善が達成された。(別添表参照) |
(2) |
障害者教育センターについては、計画通り610m2の建物が建設され、オーディオ機材等の供与されたことにより、プロジェクト実施前は50名の収容能力だったが、現在では105名の生徒、職業訓練生の受入が可能となった。また、障害者教育センターの卒業生の就業率については、1996年の4.1%から2000年の15%への向上が見られた。なお、聞き取りによれば、30人の職業訓練生の内、10人前後が就職し、10人前後が内職を行っており、職業訓練の効果はデータ以上であると思われる。 |
(3) |
上記2案件ともに適切な投入及び活動がなされ、効果的にキャンプの衛生状況の改善、障害者サービスの改善という具体的な成果に結びついていることが確認された。また、こうした基礎インフラの整備が、難民自身が新たに建物を増築したり、街路樹を植えたりする等のキャンプ内の生活環境改善の呼び水となる効果も確認された。
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10.提言(今後のフォロー・アップ、改善すべき点、政策的な観点からの提言):
パレスチナ自治区内の難民支援全体については、現下の封鎖措置による経済的苦境等によりこれまで以上に各種支援が必要とされている。今後とも保健、教育といった基礎的ニーズを中心に支援を実施していく必要性がある。
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11.外務省からの一言:
情勢が沈静化し、一般プロジェクト無償が再開できるようになるまで国際機関やNGO等を通じた支援を可能な限り積極的に行っていきたい。
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