1.評価対象テーマ:南南協力支援評価調査 | ||||||||||||||||||
2.評価対象国名:エジプト、セネガル、チュニジア | ||||||||||||||||||
3.評価調査団: シーク美実 (財)国際開発センター 本田文子 (財)国際開発センター アドバイザー 宮治一雄 恵泉女学園大学教授 渡辺洋子 NPO法人 Health and Development Service テクニカル・アドバイザー |
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4.契約期間:2002年11月11日~2003年3月31日 | ||||||||||||||||||
5.評価の目的: これまでのわが国の南南協力支援政策に関する取り組み及び実施体制について総合的かつ包括的に評価し、今後の南南協力支援政策の企画、策定及び実施を行っていくうえで実行可能な具体的提言をまとめること。 |
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6.評価結果: 理論、プロセス、インパクトの観点から分析・評価した結果、わが国の南南協力支援政策は、良好に実施されていると評価できる。 理論の検証 南南協力支援政策が日本の政策方針及び協力実施国の要望に整合しているかどうかについて検証した。その結果、わが国の南南協力支援政策は、わが国の上位の援助政策であるODA大綱、ODA中期政策及びTICADII等のわが国が国際的に合意した南南協力の方針に則していること、また、協力実施国の国内政策や外交政策にも則していることから、わが国が今後とも右政策を支援していくことについての理論的整合性が認められる。 プロセスの検証 南南協力支援政策プロセスとして、パートナーシップ・プログラム枠組み文書の策定~行動計画の策定~案件形成~案件実施、という4段階のプロセスについて検証した。個々の段階をわが国外務省の過去の事例およびJICAのガイドライン等の一般的なプロセスに照らして検証したところ、実施されなかった「行動計画の策定」を除き、南南協力支援政策のプロセスは、適切な役割分担の下で、適切な手順に従って行なわれていたと評価できる。また、迅速性の観点からも、パートナーシップ・プログラム文書の策定、案件の形成、案件の実施が妥当なタイミングで行なわれていたことから、適切であったと判断できる。 一方、「南南協力支援」政策の観点から、枠組み文書の策定から実施に至るまでの一連のプロセスを総合的に検証したところ、以下について検討される必要がある。
効果を政策目標の達成度合い及び間接的・波及的効果の観点から検証した。その結果、以下の通り、政策目標の達成度合いについては、新興援助国の育成による援助資源の拡大、地域間協力の推進、適正技術の移転、ODA経費の削減において、各々効果の大きさは異なるものの、プラスの効果が確認された。また、間接的効果として、南南協力支援政策による、日本のプレゼンスの強化、ネットワークの構築、技術の再移転が確認された。これら効果をさらに高めるために、以下について検討される必要がある。
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7.提言: 本政策のさらなる効率的、効果的実施を目指し、以下を提言する。 プロセスに関わる教訓と提言 提言1:行動計画(Action Plan)を策定する 提言2:わが国の南南協力支援における協力受益国関係者の役割を明確化する 提言3:南南協力支援における「費用負担化」の原則に関する理解の共有 提言4:南南協力支援のための協力実施国における体制を強化する 効果に関わる教訓と提言 提言5:南南協力支援政策の概念、目標、戦略を明確にする 提言6:協力受益国に対して協力実施国のリソースに関する情報を提供する 提言7:パートナーシップ・プログラムの拡大 提言8:南南協力支援会合の定期的な開催によりわが国のプレゼンスを強化する |