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ミャンマー・中央林業開発訓練センター計画

1.評価対象プロジェクト・プログラム名:
 中央林業開発訓練センター計画
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2. 国   名:ミャンマー
実施機関名:林業省林業局
3.援助形態:
(1) 一般無償資金協力: 1987年度、27.25億円
(2) プロジェクト方式技術協力:1990~1997年度、長期専門家派遣5名、短期専門家19名、研修員受入19名、機材供与、調査用車輌、コンピューター他
(3) アフターケアプロジェクト:1999~2000年度、0.82億円
4.評価実施機関名:在ミャンマー大使館
5.現地調査実施期間:2001年3月14日
6.プロジェクト・プログラムの分野:林業
7.政策目的又は政策の方向性:持続的な森林資源開発及び森林保護(環境)
8.当該プロジェクト・プログラムの目的:
 林業省森林局職員及び地域住民に対して、造林活動・森林保護に必要な技術訓練の実施及びその訓練機能の強化を行うことにより、ミャンマーにおける持続的な森林開発・管理に寄与する。
9.評価結果:

〔プロジェクト実施の妥当性〕ミャンマーは、世界でも有数の豊富な森林資源を保有しているが、産業・生活用の木材の過度の伐採により、森林資源の減少と土壌流出・荒廃地化が進んでいる。このような中で、ミャンマー政府は92年に持続可能な森林の活用を目的とした新森林法を制定しており、本プロジェクトは技術訓練を通じた人材育成の観点からミャンマー側の取り組みに対し支援を行うものであった。また、本プロジェクトの一環として99年より実施されたアフターケアプロジェクトは、近年のミャンマーにおける社会参加型の植林・森林活動のニーズを適切にくみ取ったものであり、有意義であったと考える。

〔目標達成度・成果〕我が国から供与された各施設及び機材は、厳しい予算制約に伴うメインテナンス費用の不足にもかかわらず、担当職員の丁寧かつ行き届いた配慮が各所に散見され、高く評価できるものと言える。トレーニング・コースについてみると、予算的制約等の理由から量的拡充(コース数、研修生の増加)は望めないものの、技能修得に不可欠な現地視察を実施する等して質的改善に努めている。また、受講者が各コースの終了後評価を実施し、センター側はその結果をトレーニング・カリキュラムや施設改善のためにフィードバックしていたことが確認された。これらを通じて、我が国からの支援は非常に効果的に実施されており、本プロジェクトの目標は十分に達成されていると評価できる。

10.提言(今後のフォローアップ、改善すべき点、政策的な観点からの提言):

〔ミャンマー側の改善事項〕社会参加型の植林・森林保護活動(コミュニティ・フォレスト)を今後も効果的に行っていくためには、ミャンマー政府が(1)植林・森林保護活動を「コミュニティ開発」というより大きな枠組みでとらえ直すこと、(2)これまでの政府主導型からNGO等の参加型へと、実施主体を多様化させることが必要である。

〔我が国の支援に対する提言〕我が国としても、ミャンマー政府と同様に植林・森林活動支援を「貧困層のコミュニティ開発」というより大きな枠組みの中でとらえ直すことが持続的森林開発・管理を行なう観点から必要である。また、コミュニティの生活水準の向上への支援も考慮に入れた上で、無償資金協力・技術協力・草の根無償協力の各ツールを組み合わせた包括的な支援の検討が不可欠と言える。

11.外務省からの一言:
 このプロジェクトの成果等を踏まえ、各スキームの連携を図りつつ、持続的な森林資源開発及び森林保護のための協力を検討したい。


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