1.評価対象プロジェクト・プログラム名:灌漑技術センター計画 |
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4.評価実施機関名:在ミャンマー大使館 | |||||||||
5.現地調査実施期間:2001年3月23日 | |||||||||
6.プロジェクト・プログラムの分野:農業 | |||||||||
7.政策目的又は政策の方向性:灌漑技術の情報収集、研究開発及び技術者養成 | |||||||||
8.当該プロジェクト・プログラムの目的:水資源の活用により、灌漑農業の普及を図るため灌漑技術に関する情報の収集、研究開発および人材の養成を行い、ひいては農業の安定および増産に寄与する。 | |||||||||
9.評価結果: 〔プロジェクト実施の妥当性〕ミャンマー国において、農業は国内生産比率が要請当時54.7%で、農業事業者比率が65%を占める最も重要な産業であった。この農業の生産性向上のために、この国では農業基盤整備が必要不可欠で、特に灌漑は、米の安定生産のみならず、乾期作物生産を可能にする最も重要な課題であった。このため農業灌漑省では、灌漑率の向上及び造成施設の管理のための技術向上が急務となっていたため、本プロジェクト(フェーズI)は設計基準、建設材料試験、水理模型実験等の灌漑に係る基礎的技術の移転及び技術訓練を通じた技術者養成の観点から、ミャンマー側の取り組みの支援を行う妥当なものであった。 〔目標達成度・成果〕我が国から供与された各施設及び機材は、維持管理用予算が不足しているにもかかわらず、経年劣化を防ぐべく適切に運営管理されていた。また、(A)1991年度の灌漑率が13%であったものが、1998年度時点で約17%まで上昇したこと、(B)急激な事業実施増加のために、新規卒業生の採用を急激に増やし、灌漑局内の技術者の技術力の低下が危惧されたが、本研修によって、合計約130コース、3,000人超の研修生を送り出したことにより、技術力の向上に寄与したこと等、わが国からの支援は非常に効果的に実施されており、本プロジェクト(フェーズI)の目標は十分に達成されていると考える。 | |||||||||
10.提言(今後のフォローアップ、改善すべき点、政策的な観点からの提言): 〔ミャンマー側の改善事項〕ミャンマー国は、灌漑率の向上のため、ダムの新設が相次ぎ、個々のダム建設の工期を非常に短く設定している。材料試験や設計基準等の各技術者の技術力は本プロジェクトにより向上しているものの、これほど工期が短いと現場において正確に技術力が生かされているか疑問である。背景として、農業灌漑省にも中長期的な計画があるにも拘わらず、ミャンマー政府によるトップダウン方式でダムの新設やその工期が決定されているという状況があげられる。このことは政治的な要因が大きいため、農業灌漑省だけで解決できるものではないが、ミャンマー側として、実務的・技術的な視点を反映させた方式で、計画的に進めていくことが必要であると考えられる。 〔我が国の支援に対する提言〕1998年スタートしたフェーズⅡは、主要施設から基幹・末端水利施設での水管理を中心とした灌漑技術の向上が目的で順調に推移している。一方当国では、上記の通りダムの新設を急ぐあまり、末端の水路に灌漑用水が予定通りに行き亘らない状況が散見されてる。フェーズIIでは、今後この問題点も把握して、施設を効果的に活用し、灌漑区域を有効に利用できるようにしていくことが今後の課題と思われる。 | |||||||||
11.外務省からの一言: 本件協力によって基礎的な技術についての移転は出来た。フェーズIIでは、末端での営農に焦点を当てた協力が効果的と思われる。 |