(2000年3月、アガディール水産専門技術訓練センター教官他)
<プロジェクト概要>
援助形態 |
水産無償 |
協力年度 |
1994年度 |
協力金額 |
8.64億円 |
相手国実施機関 |
漁業省 |
協力の内容 |
沿岸漁業訓練船2隻(50t級及び90t級) |
<評価結果>
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A.アル・マナール号(90t級、サフィ港)
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1. 効率性・目標達成度
所期の目的はほぼ達成されており、訓練生が漁業オフィサーとして必要な能力を修得するために十分な教育を受けることが可能となっている点で効率性は高い。
2. インパクト
漁業訓練校関係者に止まらず、一般漁民・市民等に対する日本の援助を印象付ける意味でポジティブなインパクト。
3. 計画の妥当性
計画の妥当性は確認されているが、さらに如何なる計画が必要であるかを定期的に見直す必要があり、また、新しい技術を修得するためのプログラムを組んでいく必要がある。
4. 自立発展性
訓練生の中には独自に教育を実施する能力を有する生徒が育っている。これを更に開発していく必要がある。
5. 環境への配慮・影響
サフィ訓練校における訓練に対してポジティブな印象を与えるように環境等に対し多大な配慮がなされている。
6. 今後必要なフォローアップ
維持管理が確実に行われているところ、今後も同様な体制を維持していくことが肝要である。
7. 将来他のプロジェクトを実施する場合の教訓
訓練校オフィサーに対する航行機器に習熟するための実地訓練コースが必要である。
8. ODA広報の観点からの気付きの点
さらに積極的な広報が必要。
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B.アル・モルジッド号(50t級、アル・ホセイマ港)
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1. 効率性・目標達成度
所期の目的はほぼ達成されているが、訓練を実施する教官の数が不足しているため、船上での訓練が十分行き届いていない点は改善する必要あり。
学生が本来の学校の教育目標(士官級漁船員の養成)を理解せず、単なる就職目的で受講しており、まず、学生の意識改革が望まれる。
2. インパクト
漁業関係者に対する一定のインパクトはあるが、教育方法等を改善することによりさらに大きなインパクトが期待される。
3. 自立発展性
自立発展性の観点では未熟である。さらなる開発と修正が必要である。
4. 環境への配慮・影響
ある程度の配慮はなされているがさらに改善が必要である。
5. 今後必要なフォローアップ
将来他のプロジェクトを実施する場合の教訓
- オフィサー養成用の研修システムの構築(機材、用具等)。
- 有能な乗組員による訓練船の運行
- 燃費の良い訓練船の入手計画を検討する必要がある。
6.ODA広報の観点からの気付きの点
一般への情報提供・広報強化が必要。