1.前期初等学校プロジェクト(英国国際開発省プロジェクト) | ||
2.国名:マラウイ | ||
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5.現地調査実施期間:1999年7月12-23日 | ||
6.プロジェクトの分野 社会配慮、人的資源 | ||
7.プロジェクトの当初の目的
コミュニティ主体(住民参加型)の前期初等教育(小学校1年生から4年生まで)を改善するプロジェクトである。コミュニティ主体により実施・運営が可能で、かつ費用対効果の高いモデルの開発、ならびに、コミュニティ主体の学校運営を支援できる教育文化省のキャパシティビルディング、および両者のパートナーシップの構築を目的としている。 |
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8.評価結果 妥当性 学校施設建設にとどまらず、総合的、包括的な援助を行うことによって、教育の確実な質的向上をめざしている。マラウイの教育現状を踏まえ、女子児童の就学や成績・達成度の向上を図れるよう配慮している。 目標達成度 建設計画フェーズI(1996-98)では10郡で30校、フェーズII(1998-99)では11郡で31校、フェーズIII(1998-2000)では11郡で35校を建設済/建設中である。 効果 就学率の向上、質の改善に関するデ-タについては収集中である。フェ-ズIV(2000-01)ではチラズル郡でスクール・マッピングを実施予定である。 効率性 学校施設建設や教材・教具購入において、コストの削減や維持管理費の捻出等についても配慮が見られる。フェーズI-IIIを経るにしたがって材質や工法を工夫し、同等の品質を保ちながら、建設単価を減少させる努力をしている。フェーズIIIの2教室1ブロックの建設単価はUS$104/m2にまで低下させている。 自立発展性 先進国の基準から考えれば、建物の建設コストは最小限に抑えられているが、簡単な木枠に泥を塗っただけの付近の民家に比べれば、はるかに高価である。さらに、教育の質を維持するために学校開設に合わせて準備された豊富な教材も数年で消耗せざるを得ない。これらの学校を運営する維持費は住民の所得に比して高価である。現状では政府、ドナ-の支援無しには住民の自助努力だけでは施設・設備、教材の供給を維持できないのが実状である。 | ||
9.提言
親の所得を高めるような他の社会開発プロジェクトなどの支援を得ずに、教育プロジェクトだけを実施することの限界を示している。プロジェクト期間が終って、英国が完全に手を引いた後の自助努力の状態については、関係者にさめた見方が多い。自助努力は被援助国の意識の問題であると同時に、それを可能にする経済的体力の問題でもある。経済水準に応じた援助のあり方、目標設定を考えなくてはならない。 |