1.評価対象プロジェクト・プログラム名:
厨房整備による職業訓練及び貧困者救済事業計画 |
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国名:レバノン
実施機関名:聖ビンセント・ポール協会 |
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3.援助形態: |
草の根無償資金協力、99年度、
4,083,240円(34,027米ドル 1ドル=120円) |
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4.評価実施機関名:在レバノン大使館
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5.現地調査実施期間:2001年4月11日
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6.プロジェクト・プログラムの分野:社会福祉
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7.政策目的又は政策の方向性:
貧困地域で活動するNGOが実施する女性のための職業訓練、貧困者救済事業に対する支援。 |
8.当該プロジェクト・プログラムの目的:
被供与団体である聖ビンセント・ポール協会はレバノン内戦の激戦地であった山岳レバノン県メトンで人道的社会福祉活動を行うNGOである。本計画は同NGOが運営する食堂の厨房を草の根無償による台所機材供与により拡充、整備することにより、女性のための料理講習会を実施し、将来の雇用のための料理技術取得を目的とする職業訓練実施を可能にする。また同団体は、同厨房で作られた食事をレバノン各地のレストランへ無料配給することにより貧困者救済事業を実施する。 |
9.評価結果:
草の根無償による精肉機、冷蔵庫、フライヤー等十数点の台所機材供与により、厨房はほぼ完全に整備、刷新され、女性に対する調理職業訓練が実施されている。講習は、各セッション3ヶ月(週3回、1日2時間)4つのコースからなり一般家庭料理、ケーキ、ジャム等の料理講習会が実施され、大きな反響を得ている。また、救済事業の一環として、毎週200~300人のホームレス、老人等の困窮者が集い、無料で食事を楽しんでいる。本案件は、地元住民ニーズに呼応する形で当該NGOより再三要請があったものであり、当国メディア(当地「デイリー・スター」)でも大きく取り扱われたことから、「足の速い、目に見える支援」という草の根無償の利点が最大限に発揮されたものといえる。 |
10.提言(今後のフォローアップ、改善すべき点、政策的な観点からの提言):
草の根無償により供与されたすべての機材は、職業訓練、食糧配給のため当初予想の稼働率を遙かに越えて最大限利用されている。被供与団体は、すべての機材を正しく利用し、メンテナンスを怠ることはないが、将来、利用機材の消耗により一部機材の買い換え、抜本的な修理が必要とされる場合があろう。日本の援助により軌道にのったかかる優良プロジェクトに対しては、長期的視点から継続的な支援を行う必要があろう。
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11.外務省からの一言:
レバノンは、比較的生活水準の高い都市部と貧困な地域が混在していること、18の宗派からなるモザイク国家であること、女性の社会進出が周辺国に比べて比較的自由である等の特徴があるので、こうした点に留意し、今後とも優良案件の発掘に努めていきたい。 |