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ケニア・モンバサディーゼル発電プラント建設計画

1.評価対象プロジェクト名:
モンバサディーゼル発電プラント建設計画
(参考案件:ソンドゥ・ミリウ水力発電計画)
(クリックすると画像が変わります)
2.国名:ケニア
3.援助形態:
有償資金協力、94年度、107.16億円
(参考案件:有償資金協力、96年度、69.33億円)
4.評価者:中川雅之 海外電力調査会電力国際協力センター次長
5.現地調査実施期間:2000年4月10日~14日
6.プロジェクトの分野:電力
7.プロジェクトの目的:
 ケニアでは電力の供給力不足から計画停電を実施しており、渇水期には停電時間が長期化する傾向にあった。このため、電力不足の改善、渇水期における安定した電力供給などを目指し、観光や商業面で重要なモンバサ市にディーゼル発電プラントを建設するものである。
8.評価結果:
 本発電プラントの完成により、モンバサ市の計画停電が全面的に解消するとともに、首都ナイロビにおいても計画停電時間が短縮された(基幹系統内における月別不足電力量では2,400KWhから1,400KWhへ低下)。特に1999年後半から異常渇水状態が続いていることから、同発電プラントの投入は絶好のタイミングであった。
 また、同発電プラントの構成は、1万2,500KWh×6基(合計7万5,000KW)であるため、大型ユニットで構成するよりも運転・保守が容易であり、老朽化後の部品の共有などを考慮すると、非常によい設備構成である。
 さらに、予備品管理については予防保全の考え方が採用されており、コンピューターによって不足している予備品を随時チェックするシステムとなっている。
 しかしながら、運転は全面的にコンピューター制御を導入していることから、制御系の故障を引き起こした場合、その対処について若干の懸念を感じた。このため、納入メーカーとの連絡体制の強化が必要である。
9.提言(今後のフォローアップ、改善すべき点等):
 (1) 納入メーカーとの連絡体制をさらに強化することが望ましい。
 (2) 将来的に需要に見合う供給力が確保され、需給調整運転が必要になった場合、運転操作について相応な訓練が必要になると予想されるが、この点について、日本の技術協力があれば、より信頼度の高い電力供給が確保されるものと思われる。
10.外務省からの一言:
 トラブルが発生してもマニュアルでの運転が可能であり、設備の利用を継続することは可能である。またコンピューター内部の故障については、IC基盤単位で故障基盤が表示され、基盤単位で取り替えることで修理できるよう対策を講じている。
 送配電損失率の向上に向け、国際協力銀行は、「送電ロスセミナー」を2000年2月に開催した。同セミナーには、ケニア電灯・電力会社職員1名も参加している。
なお、この評価報告は評価者が第3者である個人の責任において作成したもので 、外務省の意見ではありません。

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