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イラン・イスラム共和国・ヤズド信号訓練センター

1.評価対象プロジェクト名: ヤズド信号訓練センター
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2.国名:イラン・イスラム共和国
 実施機関名:イラン国鉄(道路運輸省関係機関)
3:援助形態:プロジェクト方式技術協力 1993年12月~1996年11月
4.評価実施機関名: 在イラン日本国大使館
5.現地調査実施期間:2001年1月29日~1月31日
6.プロジェクトの分野:人的資源、運輸・交通
7.政策目的又は政策の方向性:職業訓練
8.当該プロジェクトの目的:
 イラン中部ヤズド市の鉄道信号の訓練センターにおける、信号の適切な操作及び維持管理を行うための訓練コースの改善によって、イラン国鉄の効率的な鉄道運行を達成すること。
9.評価結果:
 当初の計画とおり、ヤズド駅構内にある信号訓練センターにおいて、信号の適切な操作及び維持管理を行うための訓練コースが実施されていた。コースは週30時間、2年コースであり、信号(signal), 誘導(navigation), 軌条(track)及び運転(operation)の4科目に分けて実施されている。評価実施期間中、実際に約20名の研修員がプロジェクトにて供与された、信号システム機器、線路モデル一式等の機材を使用しつつ、訓練を受けていた。また、当センターで訓練を受けて卒業した者は、ヤズドを始め、マシュハド、バフグ、タブリーズなどイラン国内の主要各駅に配置されていることを確認した。また、実際のイラン国鉄ヤズド駅のコントロールセンターを調査したところ、訓練センターと同一の信号システム機器が使用されており、訓練センターで修得された技術は、実際の現場において極めて有効に活用されていることを確認した。
11.提言:
 日本側が供与した機材は、丁寧かつ順調に使用され、活用状況及び管理状況も良好であるものの、信号システムの制御盤、ヒューズ、模型列車など一部の機材が故障したままに放置されていた。機材は訓練に使用されるため、通常よりも過酷な状況で使用されて故障すること自体はやむを得ない。イラン側は、自国で対応できるものは自らで修理を行っているものの、日本側が供与した機材には、イラン国内では手に入らないものも多くあり、しかも、それが訓練を継続していく上で不可欠な機材である場合が多い。今後も、日本よりイランに移転された技術が有効に活かされ続け、イランの効率的な鉄道運行の達成を支援するためにも、破損した機材を再供与したり、イランが自国で調達可能な部品に変更するなど、適切にフォローアップしていくことが有意義である。
12.外務省(本省)からの一言:
 本件は、イラン国鉄より厚い信頼を得ています。今後イランにおける信号システムの進歩に応じて、本件訓練センターのレベルアップを図っていくことが重要だと考えています。また、供与機材の部品の中には当時特注品として製造されたものや、既に製造中止となっているものがありますが、提言に従い、イラン側と協議しつつ可能な限りフォローアップをしていきたいと考えています。


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