1.評価対象プロジェクト・プログラム名:
ハリケーン「ミッチ」被災地における巡回診療と保健衛生教育計画
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国名:ホンジュラス
実施機関名:AMDA(アジア医師連絡協議会) |
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援助形態:
草の根無償資金協力
99年度、78,392米ドル |
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4.評価実施機関名:在ホンジュラス大使館
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5.現地調査実施期間:2001年5月24日 |
6.プロジェクト・プログラムの分野:医療保健
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7.政策目的又は政策の方向性:
ハリケーン被災地での被災者に対する医療救援活動及び保健衛生教育実施による被災者の衛生環境の向上・整備 |
8.当該プロジェクト・プログラムの目的:
ハリケーン「ミッチ」により被災した地域のうちアトランティダ県、コロン県及びエル・パライソ県を対象に被災者のための巡回診療を行い、また、保健衛生教育を厚生省、地方自治体、ローカルNGO等との連携のもとで実施して地域住民の衛生環境の向上及び整備を図る。
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9.評価結果:
当初計画ではアトランティダ県、コロン県及びエル・パライソ県において巡回診療及び保健衛生教育を実施する予定であったが、プロジェクトの実施開始時期がハリケーン被災より約1年経過していたことから、対象地域の見直しを行いアトランティダ県、エル・パライソ県及びフランシスコ・モラサン県で実施された。
今回の調査では事業報告書の内容確認及びアジア医師連絡協議会の邦人現地調整員より聞き取り調査をした結果、巡回診療は6市の計18町村で実施され、予定受診者数の2400名を上回り、総受診者数は3225名であった。
また、保健衛生教育については、(1)基礎的な保健教育、(2)保健ファシリテーターの育成、(3)衛生環境の整備の3つの目的で実施された。
基礎的な保健教育は、防災関連のテーマを含めてラ・セイバ及びトロヘスの2市で実施され、総受講者数は54名であった。保健ファシリテーターの育成では、トロヘス及びラモン・アマヤ・アマドールの2市で120名が受講した。また、衛生環境整備として救急医療のための医療キットを20ヶ所の幼稚園及び95名の地域保健ボランティアに配布した。
上記調査の結果、巡回診療は当初の目的を十分に達成したことを確認した。保健衛生教育については、具体的な効果を確認するためには将来的な保健統計資料の確認が必要となるが、保健教育を受講した参加者がラ・セイバ市付近で発生したバス転落事故の際に救急医療面で活躍したこと等から一定の効果があがっていると判断される。
また、アジア医師連絡協議会は隣国エルサルバドルで発生した地震の際に本件計画にて育成した保健ファシリテーターの協力を得て被災者救援活動も行った。 |
10.提言(今後のフォロー・アップ、改善すべき点、政策的な観点からの提言):
自然災害に対する被災者救援活動を実施する際に重要な点のひとつとして救援活動開始までの時間をいかに短くするかという点があげられるが、本案件では活動の開始が被災後約1年経過し、対象地域の変更を余儀なくされたことから、案件形成の際には活動開始時期を考慮した上での対象地域の選定や協力内容の策定が望まれる。 |
11.外務省からの一言:
ホンジュラスを始めとする中南米諸国は自然災害の多い地域であり、防災分野における支援は今後の重要な課題である。このため長期的な観点から防災分野における支援を行うとともに、災害が発生した際には迅速な対応が可能である草の根無償資金協力の効果を最大限発揮出来るよう迅速な案件形成に努めることが重要である。 |