1.評価対象プロジェクト・プログラム名:
北部沿岸小規模漁業近代化計画
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2. |
国 名: |
ホンジュラス |
実施機関名: |
農業牧畜省 |
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3.援助形態:
(1) |
無償資金協力(水産無償)
96年度、5.76億円 |
(2) |
技術協力(専門家派遣事業)
2000年7月~01年6月、1名 |
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4.評価実施機関名:在ホンジュラス大使館 |
5.現地調査実施期間:2001年1月31日~2001年2月2日 |
6.プロジェクト・プログラムの分野:水産 |
7.政策目的又は政策の方向性:
漁民組織化の促進、漁労・保蔵技術の改善、漁民意識の改革を通じての小規模沿岸漁業の振興及び漁民の生活向上
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8.当該プロジェクト・プログラムの目的:
北部沿岸のトルヒージョ地区に漁民研修センター(トルヒージョ市)及び漁民集会所(サンタロサ・デ・アグアン及びリモン)を、また、ラ・セイバ地区に漁民集会研修所(ラ・セイバ市)を建設し製氷機及び研修用機材等を整備するとともに、零細漁民向けに漁船及び船外機(各77台)並びに漁具・漁労機材を供与することにより、漁法技術、保蔵技術や経営観念等の研修を実施し、漁民の生活向上を図る。 |
9.評価結果:
当初の計画通り、漁民研修センター及び漁民集会所は建設され、漁船及び船外機並びに漁具・漁労機材も漁民研修センターでの研修を修了した零細漁民77グループに対し配布された。なお、漁民が漁船及び漁具・漁労機材の貸与を受けるためには原則3人からなるグループを形成したうえで機材の運営管理関連の研修を受けることが義務付けられており、その後も漁具・漁法等の研修を受けることとなっている。
今回の調査では漁民研修センター及びラ・セイバ支局を訪問したが、漁民の組織化及び漁労・保蔵技術の向上による漁獲量・漁獲高及び対象漁民の所得増が確認された。
また、裨益対象地域の漁民及び長期専門家より聞き取り調査をした結果、住宅の改築や子供の就学率が向上していることが確認され、また、出漁毎の漁獲高や収支が計算できるようになる等漁民の経済観念意識が高まっていることも確認された。
このプロジェクトの恩恵を受けた裨益漁民一人当りの月平均漁獲高は平均1,110レンピラであり、内外より高い評価を得た「トルヒージョ湾岸漁村近代化計画」(ミニプロジェクト技術協力、1991~94)で達成された月平均漁獲高1,222レンピラのレベルにまで達しており、漁民の生活向上が図られていることが確認できた。
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10.提言(今後のフォロー・アップ、改善すべき点、政策的な観点からの提言):
北部沿岸における小規模漁業振興は当国が策定中の貧困削減戦略でも政策課題のひとつとして取り上げられており、他の地区からも実施要望の声が高いことから、北部沿岸小規模漁業振興計画調査(開発調査)で提言されている対象地域にも小規模漁業振興を拡大していくことが有意義である。
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11.本省からの一言:
本件は、零細沿岸漁業振興の成功事例の一つであると言える。我が国の協力により零細漁業者の所得が向上し、且つ漁民の組織化の伸展により漁民自らの手によるセンターの運営管理が進められていることは特筆すべきことと思われる。
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