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グアテマラ・国立病院網機材整備計画

1.評価対象プロジェクト名:国立病院網機材整備計画
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2.国名:グアテマラ共和国
  実施機関名:厚生省
3:援助形態:(実施形態) 無償資金協力(一般プロジェクト無償)、92年度、(協力金額)6.73億円
4.評価実施機関名: 在グアテマラ日本国大使館
5.現地調査実施期間:2001年6月5日―8日
6.プロジェクト・プログラムの分野:保健・医療
7.政策目的又は政策の方向性:保健・医療水準の向上
8.当該プロジェクトの目的:
 全国の国立病院のうち、緊急に整備が必要とされるグアテマラ市内2カ所と地方の3カ所計5カ所の病院を対象に老朽化した基礎医療機材の整備を行なうことで、医療施設の整備・強化を図り、もって低所得者層を中心とした国民の健康増進を目的とする。
9.評価結果:
 当初の計画通り、5ヵ所の病院(ルーズベルト国立病院、サンフアン・デ・ディオス国立病院、クイラパ/サンタロサ国立病院、エスクイントラ国立病院、チマルテナンゴ国立病院)において基礎的な医療機材が整備された。92年当時グアテマラは、「国家開発計画」において、国民の健康増進、保健衛生の向上及び健康回復・リハビリを目指した改善計画の実施を掲げ、同計画の具体的促進のために、医療体制の総合的な改善、全国レベルでの医療施設の整備を急務としており、我が国はこうした状況をふまえ、機材整備を適切な時期に実施したことを確認した。
 手術室関連機材、検査関連機材及び産婦人科関連機材を中心とした供与機材の使用頻度は高く、有効活用され、保健医療水準の向上に大きく貢献している。グアテマラ首都圏在住者約250万人(全国民の4分の1)を含む対象サイトにおいて、社会保険制度に加入できない貧困層が機材の整備された病院にアクセスすることを可能にしたという観点から、社会的インパクトも極めて大きい案件といえる。
 本案件は、実施後7年を経たが、我が国の援助政策の方向性及びグアテマラの開発政策と常に合致しており、現在までに「第二次国立病院機材整備計画」、「第三次国立病院機材整備計画」、「国立病院機材整備計画フォロー・アップ協力」及び「医療従事者養成校整備計画」が継続して実施されるに至っている。5カ所の国立病院の点検保守・修理、及び新規機材購入に係る経費は必ずしも潤沢ではないが、限度内での自助努力が認められる。
10.提言:
 1993年度以降カウンターパートの本邦研修を3名実施しており、帰国後も各地の国立病院で活躍中である。一方、1997年度以降、厚生省維持管理課に青年海外協力隊員計3名が派遣され、技術指導を行なっており、機材の有効活用に大きく貢献している。隊員派遣による継続的な医療機材のメンテナンス指導およびカウンターパート研修は、機材の耐用年数を延ばすのに有効な方法であると思われる。
11.外務省(本省)からの一言:
 グアテマラは、著しい貧富の差が存在する国であり、この富の偏在が36年に及ぶ内戦の背景にあり、貧困是正が同国の最重要課題となっています。この計画は、国民の約56%を占め、貧困が集中する先住民族に対する保険サービスの強化に資する案件であり、意義が高いものであると考えます。


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