1.評価対象プロジェクト・プログラム名:
気象観測・予報設備整備計画関連 |
(クリックすると画像が変わります)
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2. |
国 名: |
フィジー諸島共和国 |
実施機関名: |
フィジー気象局
(Fiji Meteorological Service(FMS)) |
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3. |
援助形態:
無償資金協力(一般プロジェクト無償)、95、96年度、13.28億円 |
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4.評価実施機関名:在フィジー大使館 |
5.現地調査実施期間:2001年2月8日~9日 |
6.プロジェクト・プログラムの分野:運輸・交通、防災 |
7.政策目的又は政策の方向性:
域内における気象観測・予報、特にサイクロンの動向の監視及び予報の精度向上。 |
8.当該プロジェクト・プログラムの目的:
FMSの気象観測・予報の一層の能力向上を図り、WMO(世界気象機関)の南太平洋地区におけるRSMC(熱帯低気圧に関する地域特別気象中枢、FMSを含め世界に5カ所)として必要な機能の拡充・強化を目指す。 |
9.評価結果:
(1) |
このプロジェクトによって整備された資機材により、概ね東経160度~西経120度及び赤道~南緯25度の区域を担当とするFMSの気象観測・監視システムが強化され、特にサイクロン情報の精度・迅速性・信頼性の向上が図られた。これにより南太平洋地域に頻発するサイクロン災害の軽減に大きく貢献している。 |
(2) |
また、気象観測・予報・情報提供の精度の向上に伴い、気象災害全般の軽減に寄与している他、航空用・船舶用気象情報の改善に伴い、南太平洋地域の航空機・船舶の一層の安全航行にも寄与している。 |
(3) |
更に、世界各地の気象台との迅速な情報の送受信装置がこのプロジェクトによって整備されたことにより、フィジー及び近隣諸国・地域のみならず、周辺領域における気象観測の精度向上にも繋がっている。(なお、FMSのウェブ・サイト(http://www.met.gov.fj)により、FMSの提供する気象情報が入手可能。) |
(4) |
FMSにおいて継続的に実施されている周辺諸国・地域からの気象技術者の研修により、このプロジェクトの成果が周辺諸国にも波及している。
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(5) |
以上の観点から、このプロジェクトは地域裨益案件としてのモデル・ケースであるのみならず、地球規模での気象観測機能強化の一端を担うものとして極めて優良な案件と認められる。 |
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10.提言(今後のフォロー・アップ、改善すべき点、政策的な観点からの提言):
(1) |
気象予報官及び技術者の養成が継続的に実施されていくことが望まれる。
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(2) |
なお、この計画によって導入された通信設備、コンピュータ・システム等資機材は情報処理技術の飛躍的進歩により、近い将来ヴァージョン・アップを行なうことが必要と思われる。
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11.外務省からの一言:
現在JICAが行っている研修員受入、短期専門家派遣、第三国集団研修などを有機的に活用していくことが有効と考えられる。 |