1.評価対象プロジェクト名: 国道3号線舗装計画(第1、第2フェーズ) |
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2.国名:中央アフリカ共和国 |
3.援助形態: | 無償資金協力(一般プロジェクト無償)、 |
| 第1フェーズ:90、91、92年、計34億円 |
| 第2フェーズ:94、95、96年、計50.8億円 |
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5.現地調査実施機関:2001年1月28日~30日 |
6.プロジェクトの分野:運輸・交通 |
7.政策目的又は政策の方向性:道路網整備による物流の確保、それによる経済活動の促進 |
8.当該プロジェクトの目的:
首都バンギとカメルーン国境を結ぶ国道3号線の舗装整備を進めることで、物資の調達が困難な内陸国である同国に雨季・乾季を問わない安定した物流を確保して、経済活動を促進する。 |
9.評価結果:
内陸国にとって物資の輸送路確保は重要な課題である。特に隣国との政情問題により河川交通が不安定で、燃料不足により空輸便の往来にも限界がある中央アフリカにおいては、燃料の輸送経路でもある陸路の整備は重要である。
第1フェーズ、第2フェーズとも3年間ずつ、国道3号線の始点であるボッサンベレ市からボッサンテレ市まで、合わせて135㎞の区間の舗装工事を施した。今回の調査では同経路をたどって各区間に設置されているゲートの状況、道路の利用状況等を調査した。
第2フェーズ終点ゲートにおける車両数調査の結果、94年以降、騒乱の時期を除けば24時間の車輌交通量は常に100台以上を維持しており(騒乱時期でも90台以上)、うち大型車輌は全体の40~50%(96年以降)となっている。
近年になり本道路の重要性が増した一因として燃料問題が上げられ、同ルートはカメルーンから同国に燃料が輸送される貴重な経路として利用されており、今回の調査中も5~6台の大型タンクローリーからなる車列数組がバンギへ燃料を輸送していた。
本プロジェクトは日本による主要実施案件として大変知名度が高く広報効果が大きい。 |
10.提言:
第1フェーズ開始から既に10年以上が経過しているため、補修工事が必要だが、維持・管理者の設備・国土整備省の資金や稼働可能な建設用機材の不足により、改修が行われていない。特に起点付近の損傷が激しいが、隣接するEUが援助した区間との違いが浮き彫りとなるため、改修工事の実施を検討すべきである。また、同国の道路についての援助をEU、フランスも行っているので、双方と協調することが重要である。 さらに、幹線道路の整備は全区間の整備により効果が発揮されることから、完成が期待される。 |
11.外務省(本省)からの一言:
内陸国における道路網整備は経済活動活性化の前提ですが、舗装した道路の持続的効果を維持するためには、建設とともに維持・管理が重要です。そのために必要とされる人造りや過積載をしない等の利用者意識向上も念頭に包括的な支援を検討しています。また、中央アフリカの輸出入の約75%はカメルーンのドアラ港経由の陸送で行われており、同港と中央アフリカの首都バンギ市を結ぶ国代3号線は、同国の経済発展並びに国民生活の向上にとって重要な地位を占めている。かかる背景を踏まえ、同国の道路分野における協力の可能性を引き続き検討していきたいと考えています。 |