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カンボジア・国道6号・7号線改修計画

1.評価対象プロジェクト名:国道6号・7号線改修計画
2.国名:カンボジア王国
  実施機関名:公共事業運輸省
3.援助形態: 無償資金協力(一般プロジェクト無償) 合計 45.78億円
 1996年  9.44億円
 1997年  8.03億円(国債1/3)
 1998年 24.68億円(国債2/3)
 1999年  3.63億円(国債3/3)
4.評価実施機関名: 在カンボジア日本国大使館
5.現地調査実施期間:2001年9月7日~12日
6.プロジェクトの分野:経済社会インフラ整備、社会基盤
7.政策目的又は政策の方向性:国土交通網整備(経済振興、貧困撲滅、国内統合)
8.プロジェクトの目的:
 首都プノンペンと国内北東部で農産業の中心地であるコンポンチャム州とを結びつける国道6号・7号線の約73kmの道路改修である。この道路整備により首都プノンペンとコンポンチャム区間の走行時間を4~5時間から2時間程度に短縮し、地域住民(850万人)の生活改善に寄与する。更に、本道路区間は、アジア・ハイウェイ構想の一部であり、国内のみならず広域的な産業振興に資することが期待される。
9.評価結果:
 事業の効果についてコンポンチャム州当局等にヒアリングを行った結果、2001年現在において下記の整備効果が得られており、本事業の実施が十分妥当であったと評価される。
 具体的な効果としては、旅行時間の短縮(4~5時間が2時間程度に)、旅行費用低下(約20000リエルが 5000~7000リエルに)、産業振興(コンポンチャム市および周辺地区において縫製工場2社,ゴム加工工場6社等の誘致により約15000人の雇用機会創出)、橋梁等の改修・新設による洪水に対する安全性の向上が挙げられ、首都プノンペンと経済的中心地であるコンポンチャム州及び周辺地域の経済社会発展に大きく貢献している。
10.提言(今後のフォロー・アップ、改善すべき点、政策的な観点からの提言):
 本事業の効果としては、社会経済的に大きな改善が認められるものの、同時に、重量違反車両の走行による路面損傷の頻発等の課題も発生しており、道路行政関連の法整備や管理施設の配備が必要である。また,舗装路面の維持管理計画立案や技術・機材支援も必要である。道路整備は依然として重点分野だが、主要国道の復旧・改修から今後は広域開発、地域住民のニーズ、あるいは、改修(rehabilitation)から維持管理を視野に入れた改良(improvement)への移行等幅広い開発ニーズが求められることから、他の開発援助機関とも連携しつつ、効果的・効率的な案件を実施することが重要となる。
11.外務省(本省)からの一言:
 カンボジアにおける道路施設は極めて悪い状態にあり、道路整備の重要性は高く、今後とも広域開発等を考慮しつつ、効果的・効率的な支援を検討していきたいと考えています。道路をはじめとするインフラについては、これまで行ってきたハードの整備に加え、その維持・監理や関連する組織・法の整備、利用者の意識向上への支援などソフト面での協力を行うことが重要と考えており、提言を踏まえ、より効果的な援助となるよう検討していきます。


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