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カンボジア・国営放送局整備計画

1.評価対象プロジェクト名:国営放送局整備計画
2.国名:カンボジア王国
  実施機関名:情報省、国営テレビ局(TVK)、
3.援助形態: 無償資金協力:96年度:13億5200万円
4.評価実施機関名: 国営テレビ局
5.現地調査実施期間:2001年3月1日~3月15日
6.プロジェクトの分野:通信・放送
7.政策目的又は政策の方向性:
 経済社会インフラの整備、情報通信の強化
8.当該プロジェクト:
 カンボジア・プノンペン市にある国営テレビ局の放送会館を建設し、必要機材の供与及び設備整備を行うとともに、シハヌークヴィル地方局の放送会館及び設備の整備を実施して、テレビ放送の質及び量を改善し、国民に教育・文化といった質の高い番組を提供する。
9.評価結果:
 当初の計画通り、プノンペン市に放送会館が建設され、機材や施設が整備されると共に、シハヌークヴィル市の地方局も放送会館が整備され、施設や機材が整備された。今回の調査では、国営放送局幹部が本件無償資金協力のみならず技術協力も含め全般的に評価を行うと共に、国立経営大学学生に調査を委託して、プノンペン市及び首都周辺3州の800人の市民に国営テレビ局を含むテレビ放送に関する考え方につき聞き取り調査を行った。
 我が国の援助によって、テレビ放送時間数は週61時間から81時間に、番組制作数は週4番組から20番組に増加し、また番組の質の向上が図られ、本計画実施前は25%であった受信可能範囲率も、衛星を介した受信を含めれば、本計画実施後は国内で90%に増加し、また受信可能範囲は国外にまで拡大した。また、聞き取り調査の結果、国営テレビ局が、市民に最も好まれるテレビ局であって、特に教育、ニュース、歌等の文化番組が好まれていることが明らかとなった。
 今次調査により、我が国の援助によって、首都を中心とするカンボジア国民に対する迅速な情報伝達や教育や文化面での情報提供にプラスのインパクトがもたらされていることが確認された。
10.提言(今後のフォロー・アップ、改善すべき点、政策的な観点からの提言):
 今回実施したプロジェクトの範囲内においては、テレビ局による情報伝達の効果が十分に認められた。今後のカンボジアの全体的な発展及び域内における格差是正との観点からは、テレビを含む情報通信分野のみならず、より基礎的なインフラ設備(道路、電気等)の整備や人材の育成をバランスよく行うことが好ましい。
11.外務省(本省)からの一言:
 カンボジアに対する無償資金協力については、基本的なインフラ整備(道路・電気・水道等)を中心に行われてきましたが、今後は人材育成等も含めバランスの良い支援を検討していきたいと考えています。


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