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ブラジル・労働衛生

1. 評価対象プロジェクト名:労働衛生

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2.国名:ブラジル連邦共和国
  実施機関名: オズワルドクルス財団
3:援助形態: 技術協力(個別専門家チーム派遣)
 平成7~10年
 長期専門家2名、短期専門家13名、研修員受入6名
4.評価実施機関名: 在リオデジャネイロ日本国総領事館
5.現地調査実施期間:2001年4月
6.プロジェクトの分野:工業
7.政策目的又は政策の方向性: 労働衛生に関する総合的研究・指導体制の確立
8.当該プロジェクトの目的:
 急激な工業化の結果として社会問題化してきた職場における労働者の衛生問題を解決するため、労働衛生人間生態学研究センター(CESTEH)において労働衛生に関する総合的研究・指導体制を確立することが目的とされた。
9.評価結果:
 「工業」分野は、我が国の対ブラジル援助における重点分野の一つであるが、労働者の安全・衛生が確保されなければ、工業の持続的な発展・近代化は望めないため、ブラジルの労働衛生環境の改善を目的とする本プロジェクトは、妥当な事業であった。
 本プロジェクトの成果としては、作業環境測定手法、健康診断手法、作業環境改善手法が円滑に技術移転され、その結果、同センターにおいて、労働衛生に関する総合的研究・指導体制が確立されたことが挙げられる。また、カウンター・パート機関の政策提言能力も強化され、同機関の一員がベンゼンの使用に関する連邦政府の委員会に委員として参加しているほか、リオ州政府に対して行ったアスベストの使用に関する提言により、リオ州におけるアスベストの使用が禁じられた。なお、本プロジェクトの成果を踏まえ、平成13年度より、第三国研修「労働衛生」が実施されている。
10.提言:
 発展段階にある国においては、工業の発展が最優先で、労働者の保護が後回しになるといったことがままある。工業の持続的発展のためには、教育水準や職業能力の向上といった労働者の能力自体を高めるほか、労働者が安全・健康に働ける環境を整えることが必要であり、そういった意味で、本プロジェクトのような視点が有効ではないかと思料される。
11.外務省(本省)からの一言:
 ブラジルにおける健全な工業発展のために「労働衛生」との観点から作業環境改善手法等の技術移転を行った本件プロジェクトは、労働者の生命・安全を重視する視点が十分活かされており、提言も行政に活かされるようになりました。昨年度開始された第三国研修「労働衛生」により、周辺国やポルトガル語圏途上国、他州への波及が期待されます。


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