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ブラジル・コーラ・コラリーナ図書館移転改修計画

1.評価対象プロジェクト名: コーラ・コラリーナ図書館移転改修計画
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2.国名:ブラジル
3.援助形態: 草の根無償資金協力/平成11年度/9,981.960円
4.評価実施機関名: 在ブラジル日本国大使館
5.現地調査実施期間:2001 年 2 月22日
6.プロジェクトの分野:その他(基礎教育)
7.政策目的又は政策の方向性: 地域の教育的文化的発展
8.当該プロジェクトの目的:
 首都ブラジリアから約200kmに位置するゴイアス州ゴイアニア市(人口109万人、ブラジルで12番目に人口の多い都市)の市立コーラ・コラリーナ図書館は、地域の6万人以上の学生、特に貧困家庭の子弟の役に立ち、地域の教育的・文化的発展に貢献してきたが、施設の老朽化と閲覧者の増加により図書館としての活動継続が極めて困難な状況となっていた。このため、近隣の建築物を改修してそこに移転することで、図書館として必要な設備の充実と閲覧者の収容能力の増加を図ることが当該プロジェクトの目的とされた。
9.評価結果:
 図書館の移転・改修の前後を比較すると、図書館建造物面積が、148.62m2から、364.47m2に、また、図書館延べ床面積が 297.25m2から 673.25m2へ拡張され、机・椅子の数も増えた。(机12→27、椅子60→142)、また、蔵書数についても、11,470冊から12,585冊へ伸びている。図書館の施設の充実化が図られ、一日当たりの閲覧者数についても約800人から約1,000人に増加している。移転・改修後の図書館は多くの利用者で賑わっており、大きな効果を挙げている。
 プロジェクトが大きな効果を挙げている要因としては、(1)ゴイアニア市が、大変協力的であったこと(広報面、迅速な工事完成への働きかけ、また、市の予算で改築にあわせて、エレベータやパソコンなどの機材を設置。)、(2)図書館が市の中心部に位置し、市民にとって利用しやすいこと、また、(3)図書館として改修された建物が市の歴史的建造物であることから市民の関心が高いこと、などが挙げられる。
10.提言:
 図書館は利用者が多いため、草の根無償資金協力の対象プロジェクトとして高い効果が期待できるものと考える。また、図書館には集会場としての利用価値も見いだすことができる。コーラ・コラリーナ図書館の場合、開館後には多くの市民が閲覧に訪れる他、移転した建築物がゴイアニア市の歴史的文化建造物としての指定を受けていることから市民の認知度も高く、各種セミナーが図書館で開催されるようになった。このため、図書館の利用度は従前より格段に高まっている。
11.外務省(本省)からの一言:
 教育分野、特に基礎教育普及の観点から、コミュニティーレベルでの取り組みがその重要性を増しており、今回のように地域の人々が広く活用できる図書館の取り組み等その地域のニーズに応じた類似案件に対しては、今後とも支援していきたいと考えています。また、本案件は、現地市役所の積極的な協力により大きな相乗効果が上がっており、今後案件を発掘する際に大いに参考になると考えています。


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