1.評価対象プロジェクト・プログラム名:
地方地下水開発計画(1/2期、2/2期) |
(クリックすると画像が変わります)
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3.援助形態: |
無償資金協力(一般プロジェクト無償)
1996年度、17.77億円、1997年度、13.25億円
(1/2期は機材供与、チュキサカ県、サンタクルス県) |
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4.評価実施機関名:在ボリビア大使館
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5.現地調査実施期間:2001年1月15日~1月17日 |
6.プロジェクト・プログラムの分野:給水 |
7.政策目的又は政策の方向性:
水給水及び生成、水資源政策及び行政管理 |
8.当該プロジェクト・プログラムの目的:
このプロジェクトは、当国において、特に農村部における給水率の低いチュキサカ県及びサンタクルス県において合計259本の井戸を掘削することにより給水率を増加させ、衛生的な飲料水の安定供給により伝染病の羅患率、乳児死亡率を確実に低下させることを目的とする。(チュキサカ県においては、104本の井戸を掘削(日本21本、チュキサカ県83本)することにより、給水率を18.1%(1996年)から36.8%(2002年)に増加させること、また、サンタクルス県においては、155本の井戸を掘削(日本24本、サンタクルス県131本)することにより43.6%(1996年)から73.0%(2002年)に増加させる。また、井戸掘削の技術移転により、積極的に未給水村落への開発計画を可能とするものである。
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9.評価結果:
今回は、チュキサカ県への協力について評価を行った。当初の計画通り、チュキサカ県の地方農村部の21ヶ所に井戸が掘られた。今回の調査では21ヶ所のうち4ヶ所を実際に訪問、施設の状況及び維持管理等について聞き取り調査を行った。本プロジェクトは当国が1994年から1996年に策定した「地下水開発5カ年計画(1998年~2002年)」の初年度であり、我が国の援助終了段階では、約1,5000人(聞き取り調査の結果)が安全な飲料水の供給を受けた。2年度以降はチュキサカ県が実施しており、現在も進行中である。
聞き取りの中で、特に女性からは水汲みによる時間が大幅に減少したことが挙げられた。また、新しく井戸が出来た村では、井戸の近くに家が建ったり、人口が増えたり、また衛生教育が行われたり等変化が見られ、井戸を掘ったことによる効果が現れている。
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10.提言(今後のフォロー・アップ、改善すべき点、政策的な観点からの提言):
本案件は、全ての井戸を日本が掘削し、排水タンクの建設(7ヶ所は日本が建設)、配水管網の設置等を県(予算の大部分を世銀から融資を受けた社会投資基金(FIS)から調達している。なお、FISは現在、社会生産基金(FPS)に名称変更)が実施しており、協調案件とは言えないまでも、結果的には連携した案件といえる。
また、水管理委員会の設置、機械の維持管理、使用料の徴収及び衛生教育の実施等ソフトコンポーネントの実施は必要不可欠と考える。
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11.外務省からの一言:
(1) |
飲料水の安定供給、伝染病の羅患率の低下の実現等地域の生活環境向上の観点から当初の目的を十分に達成したのみならず、女性の地位向上の観点からも効果が得られた優良案件である。なお、本効果を継続、一層促進させるためにも、維持管理体制等ソフト面でのフォローが引き続き必要である。 |
(2) |
21世紀は水の世紀とも言われ、地球規模の水問題がクローズアップされている中で、我が国がホスト国となり、2003年3月に「世界水フォーラム」を開催予定であり、今後とも重要な分野となると考えられる。今後とも同様のプロジェクトへの支援は重要である。 |
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