1. テーマ: アフガニスタンにおける教育セクターの日本の援助の評価 |
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2. 調査対象国: アフガニスタン | |
3.. 評価チーム: Max Global Consulting Services シニアコンサルタント モハンマド イスラエル モマンド コンサルタント アブドラ ヌーリー |
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4. 調査実施期間: 2010年1月~2010年3月 | |
5. 評価方針 (1)目的 アフガニスタンにおける,教育セクターの援助案件の評価を行い,これまでの援助について見直すとともに,今後の新たな援助のあり方について提言することを目的とする。 (2)対象・時期 対象:当国において実施済みの主要教育セクター案件
(3)方法
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6.評価結果 (1)「目的の妥当性」に関する評価 教師教育強化事業は,ミレニアム開発目標に掲げられた”Achieve Universal Primary Education”,アフガニスタン国家開発戦略(ANDS)に掲げられた「全アフガニスタン国民の良質な教育に対する平等なアクセス」,及びアフガニスタン国家教育戦略計画に合致しており,その目的は妥当と評価できる。 (2)「結果の有効性」に関する評価 教師教育強化事業における研修を受講した10,000名の教師(1~3年生担当)のうち90%が,受講を通し知識と技術が向上したとの実感を得ている。また,各学級における教師の指導方法が改善され,これまで教師による一方的な教授でしか無かった授業が,対話的なものとなり生徒が積極的に授業に参加するようになった,クラスが活性化し,生徒が相互に切磋琢磨するなど向上心の改善があった等の成果が報告されており,教師教育強化事業の高い有効性が確認された。 (3)「プロセスの適切性」に関する評価 学校建設事業においては,地域コミュニティの建設用地選定への関与及び用地の提供,並びに地元労働者による建設など,住民主体の事業を行ったことが確認された。 |
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7.提言 (1)教師教育強化事業について 本事業は高い有効性が確認された事業であったことから,その事業で得た成果をより持続可能なものとするため,今回のプロジェクトで研修を受けた各校の教師の一部を対象に,特に新任教師に対し各校で研修が実施できるよう,マスタートレーナーとなるための研修を行うなど,事業の発展的継続を行うべきである。 (2)学校建設計画について 本事業は生徒の就学環境に大幅な改善をもたらした有効な事業であったが,未だ多くの生徒が,未整備な環境での学習を強いられている実態があり,その必要性は切迫したものがある。本プロジェクトの受益者は今後も同様の計画を継続していくべきである。 (3)日本の教育セクターにおける今後の援助について 同セクターにおける日本の援助は,アフガニスタン政府の同セクターにおける主たる施策に沿ったものであり,また,その評価も高い。他方,教育分野における問題として,女性の低識字率(19%,男性40%),女性教員不足から来る女子生徒の低就学率等の女子教育の問題もある。日本はアフガニスタン国家開発戦略における重要分野の一つでもある教育分野への支援を実施しているが,今後は女子教育の改善についても財政的,技術的支援を行うべきである。 |
注)上記は,評価実施者の報告書を基に大使館にて要約し,日本語訳したものですが,記載されている内容は,評価実施者の見解であり,日本政府の立場や見解を反映するものではありません。