1. 評価対象プロジェクト名: 児童保護 |
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2. |
国 名: |
ベトナム |
実施機関名: |
Health and Education Volunteers(米国NGO) |
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3. 援助形態:
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ラムドン省社会保護センター改善計画
草の根無償資金協力 1997年度 87,008USD |
(2) |
第4区6月1日学校改築計画
草の根無償資金協力 1998年度 84,745USD |
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4. 評価実施機関名:在ホーチミン日本国総領事館 |
5. 現地調査実施期間:2002年3月25日-29日 |
6. プログラムの分野:人的資源、社会配慮 |
7. 政策目的又は政策の方向性:
貧困削減への努力に対する支援、初等及び中高等教育における施設整備、教育の質の向上 |
8. プロジェクトの目的:
(1) |
ラムドン省社会保護センター改善計画:乳幼児の病気感染防止、女生徒の性的虐待防止、職業訓練実施 |
(2) |
第4区6月1日学校改築計画:教育環境改善、教室数増加(4→6)、収容児童数増加(200人→300人)、職業訓練実施 |
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9. 評価結果:
<妥当性>
両プロジェクトは、児童の保護及び教育・職業訓練の拡充を目指したものであり、プロジェクト実施時の国別援助方針に策定の重点分野に該当し、両プロジェクトの実施は我が国援助政策に照らして妥当性がある。また、「児童保護」というプログラムは、国別援助計画の重点課題や重点分野に照らし、将来的にも実施する妥当性がある。
<効果>
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ラムドン省社会保護センター改善計画: 乳幼児用部屋の建設については設計ミスがあり、室温が低いので、供与建物以外の別棟(暖房施設あり)に乳幼児用部屋を設けている。建設された乳幼児用部屋は、ボランティア用控え室として利用されている。しかしながら、女生徒用部屋の建設により女生徒の性的虐待を防止し、職業訓練機材の供与により3年半で延べ160名という縫製の職業訓練を実施した実績もあることから、本件プロジェクトは成果を上げていると言える。 |
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第4区6月1日学校改築計画: 校舎改築により教育環境が改善され、初等教育クラスが4→8に増加し、職業訓練クラスが新設された(生徒数は、改築前は110人。2001年度には全体で299人)。また、女生徒を保護する宿泊部屋も設置されており効果をあげている。従って、プロジェクト形成時の数値目標の教室数6、収容児童数300人という目標を達成している。
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「児童保護」プログラムの効果: 両草の根無償資金プロジェクトの成果の評価から、将来的に「児童保護」というプログラムを実施する妥当性は認められる。 |
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10. 提言: <ベトナム側がとるべきフォローアップ>
両プロジェクトとも、当初の計画目標をほぼ達成しているが、今後、建物や機材の老朽化に伴う改修・修理費用の増加が見込まれるので、引き続き運営資金を手当てすることが重要である。
<政策的な観点からの提言>
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草の根無償では、プロジェクトの規模が小さいことから裨益対象者を明確に区分できる事業主体者や施設を選定し、目標の達成を容易にすべきである(6月1日学校は、裨益対象者が児童だけであり、ラムドン社会保護センターのように児童の他に乳幼児や老人を含んでいないので、目標を容易に達成した)。 |
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他の援助形態(一般無償や技術協力)で児童保護を目標として実施する際には、ベトナム側が協力しやすいように、児童だけでなく地域住民全体に対する厚生の向上を考慮したプログラムも同時に考慮すべきであり、教育、職業訓練、保健、社会基盤整備の各分野における複数のプロジェクトやプログラムを一つの地域で有機的に組み合わせて実施することにより、地域住民全体の厚生が向上すれば、結果として児童の厚生も向上することとなり、児童保護の問題が抜本的に解決することとなる。
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