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ベトナム
フークオック島医療資機材整備計画
フークオック島医療機材輸送計画

1. 評価対象プロジェクト名:
(1) フークオック島医療資機材整備計画
(2) フークオック島医療機材輸送計画

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2. 国  名: ベトナム
実施機関名: (1)キエンザン省フークオック病院
(2)日本口唇口蓋裂協会
3. 援助形態
(1) フークオック島医療資機材整備計画 草の根無償資金協力 1997年度 980万円
(2) フークオック島医療機材輸送計画 草の根無償資金協力 1998年度 493万円
4. 評価実施機関名:在ホーチミン日本国総領事館
5. 現地調査実施期間:2002年3月28日
6. プロジェクトの分野:保健、医療
7. 政策目的又は政策の方向性:「保健・医療」等の改善・向上
8. プロジェクトの目的 :
(1) フークオック島医療資機材整備計画:救急患者への対応能力の向上
(2) フークオック島医療機材輸送計画:フークオック島住民の医療サービス向上
9. 評価結果:
 ベトナムでは保健・医療分野でのサービスが貧弱であり、改善の余地がある。保健・医療分野は対ベトナム国別援助計画の重点分野の一つであり、このような観点から本件両援助は、わが国の援助方針に合致している。

<フークオック島医療資機材整備計画>
救急患者への対応能力の向上: 救急車は日常における緊急業務の他病院間の患者移送に使用されており、その他の医療機材は主にフークオック病院の救急病室に設置され活用されている。上級病院への患者移送数が供与前の300人に比し120人へと60%減になっているが、これは、初動緊急医療サービスの向上によるところが大きいと推測される。なお、供与機材の内、酸素発生装置については既に使用回数の限界に来ており使用不可となっており、現在は近隣都市から酸素ボンベを調達し代用している。
<フークオック島医療機材輸送計画>
フークオック島住民の医療サービス向上: 本件では、日本口唇口蓋裂協会から約230点の中古医療機材(ベッド、手術用無影灯、減菌装置キャビネ等)が供与された。草の根無償資金協力では、これら材料の梱包費を含む輸送費を手当てした。同病院は1999年に新築・拡張されているが、仮に本件援助がなかった場合、旧病院で使用していた小規模な機材しかなく、新病院は実質的に以前と同じ患者対応能力しか確保しえなかったところであった。本件援助は、同病院の稼動能力・質の向上に貢献している(1997年の外来患者数3万人に対し供与後の2001年は約7.5万人)。
10. 提言:
 供与機材は、一定期間使用後は買い替えが必要となるが、それまでは補修・点検が適切に実施されることが肝要である。この点、病院側の予算に係る経費が確保されており、また、供与機材の技術水準は通常レベルの機材であるので現地での補修・点検が可能である。中古機材の供与に際しては、受け入れ国側の技術水準に配慮する必要がある。本件2案件は草の根無償による医療機材供与案件と民間による中古医療機材の供与案件というユニークなプロジェクトであり、同種プロジェクトの良い参考例となろう。


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