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シリア・アラブ共和国・
アレッポ市ゴミ処理機材改善計画

1. 評価対象プロジェクト名:
 アレッポ市ゴミ処理機材改善計画

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2. 国  名: シリア・アラブ共和国
実施機関名: アレッポ市
3.援助形態:
 一般プロジェクト無償 1997年度 7.21億円
4.評価実施機関名:在シリア日本国大使館
5.現地調査実施期間:2002年3月26~28日
6.プロジェクトの分野:環境、都市衛生
7.政策目的又は政策の方向性:民生・環境セクター支援
8.プロジェクトの目的:
 急激な人口増加、急速な都市化の進展及び産業活動の活発化によりゴミ環境問題が悪化しているシリア第2の都市アレッポ市に対し、ゴミ収集及び最終処分等に必要となる機材(ゴミ収集車両)の供与を行うことで、ゴミ収集率等の向上を図り、同市のゴミ問題及び環境・都市衛生問題の改善に資することを目的とする。
9.評価結果:
 本件プロジェクト実施前の97年においては、ゴミ発生量約1,100t/日、ゴミ収集率約85%であったのに対し、2001年にはゴミ発生量約1,400t/日、ゴミ収集率約100%と目標であった全量収集が達成された。これにより、未収集ゴミによる悪臭発生、害虫発生及び汚水流出等が解消され、アレッポ市の都市環境改善に大きく貢献した。また、新規機材の供与により、使用年数12年以下のゴミ収集車両の平均稼働率は97年の65%から2001年には78%まで向上するとともに、年間延べ修理車両台数が同660台から同114台に激減するなど、ゴミ収集作業の効率化及び修理・維持管理費の低減によるアレッポ市の財政負担の軽減が図られた。
 また、著しく増大するゴミ発生量に対応するためゴミ収集車両等は高い稼働率を強いられていた。十分な維持管理がなされていない機材も一部見受けられたが、ほとんどの機材において、運用記録の保存、定期点検の実施等が適切に実施されており、大きなトラブルもなく良好に活用されていた。
 アレッポ市においては、本件プロジェクトの実施を契機に市民に対するゴミ収集への協力依頼、広報・教育・啓蒙活動を積極的に展開しており、ゴミ環境問題に対する市民の意識向上が図られていた。
 なお、供与されたゴミ収集車両にはODAマークやわが国国名を明記したステッカーが貼付されていることもあり、わが国援助に対する市民の認識度は極めて高かった。
10.提言:
 都市環境問題の解決は発展途上国にとっても極めて重要な課題である。特にゴミ処理問題は日々の市民生活に直結しており、同問題の解決による一般国民への裨益効果は極めて大きいことから、今後のわが国ODAにおける中心的プロジェクトとして、都市環境改善を目指した廃棄物収集・処理プロジェクトを引き続き積極的に支援して行くべきである。
11.外務省(本省)からの一言:
 古い歴史と文化を持つ都市アレッポでクラス人々の生活環境の向上に直接資する好案件です。わが国の環境問題への取り組み姿勢を示す上でも効果的と考えます。供与された車両が末永く日本の名と共に市民に親しまれる存在となることを期待します。


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