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ソロモン諸島・ヘンダーソン国際空港整備計画

1. 評価対象プロジェクト名:ヘンダーソン国際空港整備計画

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2. 国  名: ソロモン諸島
実施機関名: 観光航空省
3.援助形態: 一般プロジェクト無償、96・97年度、18.26億円
4.評価実施機関名:在ソロモン日本国大使館
5.現地調査実施期間:2002年4月25日
6.プロジェクトの分野:運輸・交通
7.政策目的又は政策の方向性:航空交通網の整備
8.プロジェクトの目的:
 ヘンダーソン国際空港は首都ホニアラに位置し、島嶼国ソロモン諸島における唯一の国際空港として、また、国内航空路線網の拠点空港として、同国の航空輸送及び交通機関の中心に位置付けられる。2000年の部族間紛争により崩壊した同国経済の今後の発展を実現していく上で観光分野の開発が必要であることに鑑み、航空需要、航空運営面での安全性を確保し、以って同国の交通網整備に貢献することが当プロジェクトの目的である。
9.評価結果:
 当国は、6つの主島をはじめとする大小2,500の島々からなる島嶼国である。主島といってもその面積は長さ80~100km、幅30~50kmにすぎず、かつそれぞれが隔離されている状況の中で人々の生活が営まれてきたため、当国の交通網は、陸上よりも海上・航空において整備が進められてきたと言える。中でも、航空交通は利便性の高い交通手段として重要な役割を担っている。1997年9月当時の政権も、国家政策として「経済開発促進に必要な適正航空輸送量確保のための航空網の整備及び安全輸送の確保」を挙げており、その最終目標が「国家開発に必要な輸送力を担う国内、国際線の安全輸送の確立」に置かれていることからも、本件計画は当国の交通政策に合致した案件であったと考えられる。
 同計画により、ヘンダーソン空港は当国の交通の中心基盤としての存在を確固なものとしており、新旅客ターミナルの完成により見送り客を含むより多くの人員を収容できるようになったことは明らかである。また、待合室の座席数やターミナル内の照明設備、清潔感のある公衆便所の設置などにより利用客の利便性は大きく改善され、その機能は大幅に強化された。但し、ターミナルには水道施設が敷設されているが、同水道機器の操作説明が日本語で記載されているため、英文記載等配慮が必要である。
10.提言:
 ターミナル施設には自然災害による被害も含め破損部分が散見されるため、施設の保守点検に留意が必要である。これらの改善のためには、空港を永続的に使用していくものであるとの概念の定着を念頭とした、一般事項から特殊技術にまで及ぶ指導が必要であり、わが国からのソフト面での技術協力支援も必要である。


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