1.評価対象プロジェクト名:水産生物学・水産資源管理 |
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国 名: |
サウジアラビア |
実施機関名: |
農業水資源省 |
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3.援助形態:技術協力(専門家派遣事業)
1999年度~2001年度 1名 |
4.評価実施機関名:在サウジアラビア日本国大使館 |
5.現地調査実施期間:2002年3月25~27日 |
6.プロジェクトの分野:水産 |
7.政策目的又は政策の方向性:
石油に依存した経済から脱却するため、石油産業分野以外での産業の育成を図る。 |
8.プロジェクトの目的:
サウジアラビアの経済は、輸出の約9割、歳入の約7割を石油収入が占め、GDPにおける石油部門の寄与率が約4割であるなど石油主導型であり、その動向は石油価格の変動に大きく左右されてきた。このため、サウジアラビア政府を中心に、新規産業育成、産業の多角化のための様々な取り組みが進められている。
水産業については、水産行政組織の整備を進めており、1988年の漁獲高が約46,100トンであったのに対し、1999年には約52,300トンと約13%の成長率を遂げている。一方、漁業従事者は、1988年の約7,000人に対し、1999年には約22,000人と約3倍にまで増加しており、乱獲防止等の水産資源管理を適正に行うことは、今後の水産業育成のために不可欠である。このため、わが国より専門家を派遣し,主に紅海沿岸のエビを対象として、持続的な漁業を行うために必要な水産資源管理に関する技術指導を行った。 |
9.評価結果:
今回、実施機関である農業水資源省漁業海洋部、ジッダ水産試験所において聞き取り調査を行うとともに、ジザン水産事務所において現地調査を行った。
水産業は、新規産業育成・産業の多角化達成のための重要な取り組みの1つである。本案件では、水産業が成長していく上で必要不可欠な水産資源管理(生物データ測定等、水産資源管理のためのデータ収集・蓄積)の技術がサウジアラビア側に着実に移転されている。これはサウジアラビア政府の目指す方向性に合致しており、本案件の妥当性が認められる。
また、移転された技術を元に今後は、さらなるデータの蓄積、対象魚種の拡大なども予定されており、乱獲を防止し、持続的な漁業を行う、という当初の目的も十分達成可能であると思われる。 |
10.提言:
現段階においては、わが国は、サウジアラビア側の状況を見極めた上で、適切な時期に専門家等を派遣し、データの精度改善、蓄積されたデータの解析などの必要な技術指導・助言等を行うなど、継続的な支援が必要であると思われる。
サウジアラビア側としては今後、同国の水産業を育成させるために、本案件で享受した技術を持続的に利用していくだけでなく、サウジアラビア側自身による水産業への予算確保など、自助努力が必要である。
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11.外務省(本省)からの一言:
平成15年度には、水資源管理分野での研修実施を予定しており、本件協力の成果の更なる定着が期待されます。
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