ルワンダ
ギトウエ区立病院再建計画
(2000年2月、在ケニア大使館)
<プロジェクト概要>
援助形態 |
草の根無償資金協力 |
協力年度 |
97年度、9,960,095円 |
相手国実施機関 |
アジア医師連絡協議会(AMDA) |
協力の内容 |
同病院の施設を再建し、同病院職員に必要な医療訓練を実施することにより、病院の機能を回復すること及び併設の看護学校に実地訓練を実施することにより良質の看護婦を育成することを目的に、医薬品・医療器材を購入する。
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<評価要旨>
1. 効率性
草の根無償という非常に小さな投入の規模にも関わらず、内戦後、全く機能していなかった同病院を月間1500人の患者を診るまでに機能回復させており、十分な成果があった。医薬品、医療機材は、現在も有効に使用されている。
2. 目標達成度
本案件では当初、病院施設修復を行うこととなっていたが、先方政府の政策転換により、これを取り止め、その分の資金を医薬品購入に充てることとなったため、現在の病院は一部の区画で屋根がなく、当初120床に増築する予定が60床に留まっているなどハード面での欠陥を抱えている。
3. インパクト
地域に医療サービスを提供するとともに、同病院と同じく地域住民の寄付により設立された高等学校看護学科生徒への実習機会を与えている。
しかし、消耗品である医薬品の供与が本件の主要部分であり、病院施設修復など目に見える部分が取りやめとなったため、地域住民に対して、本件が我が国の援助であるとの浸透度・知名度は小さい。
4. 妥当性
供与機材は被援助国のニーズや技術水準に合致しており、仕様も問題がない。
また、我が国は紛争国及び紛争後間もない国に対して開発援助よりは人道復興援助を重視しており、内戦後間もないルワンダに対し、人道的見地に立った医療案件である本件を実施したことは我が国の援助政策に照らして適性であった。
5. 自立発展性
援助によって供与された医薬品は地域のヘルスセンターに一部売却され、その収入により、新たな必要薬品購入に充てるシステムが確立されており、活動が継続して行われている。
6. 環境及びジェンダーへの配慮・影響
当該地区には内戦により多くの男性が虐殺されたり、虐殺犯として収監されているため、女性が男性に比べて多い。したがって患者は女性の方が男性より圧倒的に多いものの偏重は生じていない。
7. 今後必要なフォローアップ
地域住民に十分な医療サービスを提供するために、現在60床の同病院を120床にするフォローアップが望ましい。
8. 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
直接NGOに資金を提供する草の根無償とはいえ、援助受入機関が公共性を帯びている場合、被援助国政府の政策変換等の影響を受ける可能性があるため、実施団体が先方政府と事前調整を綿密に行う必要がある。