1. 評価対象プロジェクト名:
東ニューブリテン州国営ラジオ放送局再建計画 |
(クリックすると画像が変わります)
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2. |
国 名: |
パプアニューギニア |
実施機関名: |
通信省、国営放送公社 |
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3.援助形態:
一般プロジェクト無償 97・98年度、7.49億円 |
4.評価実施機関名:在パプアニューギニア日本国大使館 |
5.現地調査実施期間:2002年3月5~7日 |
6.プロジェクトの分野:通信・放送 |
7.政策目的又は政策の方向性: ラジオ放送網の整備 |
8.当該プロジェクトの目的:
1994年9月の州都ラバウル近郊での火山噴火災害により、ニューブリテン島北部地区の基幹放送局である東ニューブリテン州国営ラジオ放送局の放送スタジオ施設は壊滅した。本プロジェクトは、同放送局を新州都ココポに再建し、基幹放送局としての機能を回復することを目的とした。 |
9.評価結果:
本プロジェクトにより、スタジオ施設の建設、スタジオ機材の供与、送信所施設の建設、送信機材の供与が行われ、最新かつ高性能な放送局に生まれ変わった。供与機器をフルに活用した番組制作が行われ、火山噴火直後の仮放送局での1日約5時間の放送から、現在ココポ、ラバウル地区を中心に、FM波による1日24時間の高音質な放送が行われている(23~5時の深夜時間帯は、コンピューター操作による音楽番組の自動放送を行っている)。
プログラム制作でも、病院スタッフによる保健・衛生講話、地元農業大学学生による農業知識の普及番組始め、地元住民の生活に密接した番組が多数制作されており、視聴者の評判も非常に高い。他州の視聴者からも含め、毎日、リクエスト等の手紙が多数放送局に届けられている。
放送局スタッフに対する技術指導として、JICA短期専門家、青年海外協力隊隊員の派遣も行われており、現在では、最新式の放送・送信機材を現地人スタッフだけで使いこなすことができるようになった。従って本件は、ハード面とソフト面の協力が組み合わさった、効果の高い協力であると評価できる。
急峻な山岳地帯や散在する島嶼部を抱え、全人口の8割以上が地方の農村漁村に居住し、また700以上の言語が各地で用いられている当国においては、ラジオ放送は単なる情報伝達のみならず、教育の普及、保健衛生等の生活向上、部族間の相互理解、健全な娯楽の提供、災害時の緊急情報発信など、極めて重要な役割を担っており、本件の妥当性も高いと評価できる。
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10.提言:
供与機材については、JICA専門家や青年海外協力隊派遣による技術協力により、放送スタッフは自分たちだけで機材を十分使いこなせる技術を身につけてきている。また、とかく施設などの維持・管理が不十分になりがちな当国にあっては、比較的良好な状態で施設が維持されている。今後も、これら技術協力との連携を継続し、ハードのみならず番組制作などのソフト面での協力にも力を入れ、より質の高い放送番組制作に貢献する
ことが期待される。
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