広報・資料 報告書・資料

パラグアイ
先住民族のための給水事情改善計画

(2000年3月、在パラグアイ大使館)

<プロジェクト概要>

援助形態 草の根無償資金協力
協力年度 97年度、4,028,313円
相手国実施機関 ボケロン県庁
協力の内容 乾燥地帯に暮らす貧しい先住民の生活環境を改善するため、生活用水確保の為の溜め池・道路・農牧地整備、農作業支援など多目的に利用されるトラクター(溜め池掘削・農業用のアタッチメント付き)を供与した。

(クリックすると画像が変わります)



<評価要旨>

1.効率性

 計画実施に際しては、実施機関の県庁内に担当者が割り振られ、機材の燃料購入等経費は予算化し継続的に確保、また、季節に合わせた運用を心掛けるなど、供与された機材は十分に活用され成果を生んでいる。

2.目標達成度

 溜め池(3カ所 計3,800立方メートル)の建設、新農牧地の開発・整備、農作業支援及び道路(25km)の建設・補修が実施され、異常気象による干魃により、生活用水の十分な確保が出来なかった時期もあったが、概ね先住民の生活用水も確保され、食糧事情も改善、移動の容易性が高まった。

3.インパクト

 食糧・衛生事情が改善。また、余った食糧を道路事情の改善も相まって供与機材を用いて市場に流すことや、水くみ等が容易になったことで、民芸品を作って販売することが可能になるなど収入の向上にもつながった。さらに、援助を通し、先住民の組織化が進んできており、従来見られた県行政機関に頼り切った意識から、当該村落の問題を自ら解決しようとする自立意識も芽生えだしてきている。

4.計画の妥当性

 先住民のニーズを十分拾い上げ、また、実施機関や受け入れ先の能力に見合った大きさ・技術で計画は練り上げられている。また、計画実施に伴い、予定通り生活環境は改善してきており、住民から大いに評価されている。但し、計画が進むに従い機材不足が目立ってきていること、及び異常気象(干ばつ)は計画の想定外のことであった。

5.自立発展性

 実施機関には必要十分な人員と予算が継続的に確保されており、また、先住民側の組織化も進んでおり、徐々にではあるが、自主性を持って自ら計画を実施するようになってきている。但し、いずれ到来する機材の更新に対する準備への明確な考え方が今のところない。

6.環境及びジェンダーヘの配慮・影響

計画実施段階において、必要に応じて原生林を残すといった配慮を行っている。また、溜め池の完成より、女性が水くみ等で遠くにいく必要がなくなり、空いた時間で民芸品作りを行い副収入を得られるようになった。

7.今後必要なフォローアップ

 計画が進むにつれて機材不足が発生してきており、機材の追加を考える必要がある。

8.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされる事項

 気象に左右されるプロジェクトは、異常気象の発生等、不確実要素を考慮し、慎重に検討を行った上で援助を実施する必要があるものと思われる。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る