1. 評価対象プログラム:
マレーシア標準工業研究所(SIRIM)への協力 |
(クリックすると画像が変わります)
|
2. |
国 名: |
マレーシア |
実施機関名: |
マレーシア標準工業研究所 |
|
3.援助形態:
(1) |
プロジェクト方式技術協力(ミニプロを含む)
1978-1984 約5.64億円 「金属工業技術センター」
1981-1985 約3.09億円 「国立計量研究所技術協力事業」
1987-1992 約4.2百万Mドル 「ファインセラミック(特性解析)研究」
1988-1993 約3.74億円 「鋳造技術協力」
他7件 総額20~30億円 |
(2) |
開発調査
1993 工業標準化・品質管理振興計画調査
1993-1994 計量センター拡充計画調査
2000-2002 クリーナープロダクション振興計画調査
|
(3) |
専門家派遣
1992-1995 金型設計製造
他2件、プロジェクト方式技術協力含め総計約300名 |
(4) |
第三国研修
1983-1988 「金属加工」 13カ国対象 114名 (受入人数)
1994-1998 「プレスプラスティック金型設計」 14カ国 58名
1994-1998 「セラミックス解析計測化」 12カ国 49名
1997-2001 「APEC/PFP基準・適合性」 9カ国 133名
|
(5) |
本邦研修員受入
1979-2001 合計143名 |
|
4.評価実施機関名:在マレーシア日本国大使館 |
5.現地調査実施機関:2002年4月 |
6.プログラムの分野:産業基盤 |
7.プログラムの目的:
SIRIMでの新たな組織の整備に必要とされる運営管理を含めた総合的な技術協力、地場産業育成にかかる中小企業への技術指導能力向上に対する協力、さらにその延長線上にある第三国研修の実施。 |
8. 評価結果
<妥当性>
本件については、マレーシア政府の国家的課題の1つとして、必要な予算措置、人材の配置等が図られると共に、Made in Malaysia、マレーシアブランドのイメージアップを目指した様々な取組みが行われ、その中で技術協力が実施され、各種技術協力がより効果的なものとなった。
<効率性>
SIRIMという目的、活動内容が明確である組織のなかでの、基本的に方向性が明らかな技術・技能を対象とした技術協力であり、技術移転の対象者も明確な目的意識をもつことができたことが、技術移転の効率性に寄与した。一部、カウンターパートの基礎能力の不足、離職、異動等による技術移転の空転が指摘されるが、組織の拡充、公社化等により組織の安定化が図られるとともに、効率的な技術移転が確保されてきている。
SIRIMに対して20年19件に及ぶ協力が継続的に実施され、さらにSIRIMの成長と共に効果的に案件が実施されたことが、わが国の技術協力の効果を相乗的に高めたものと想定される。カウンターパート側がわが国の技術協力のシステムに精通する一方、わが国においてもSIRIMの組織・活動内容が既に周知の事柄であり、よりスムーズかつ効果的な協力が図られる基礎となっている。
<自立発展性>
安定した政府と経済発展は、工業化を促進させ、益々SIRIMの役割を増大させることとなり、その結果さらに組織の拡充、体制の安定化、能力の向上等組織の成長につながったものと評価される。組織の成長は、財務的にもより強固なものとなって来ており、組織の自立的発展性を保証するものと期待されるところである。
|
9. 提言
SIRIMの技術力向上と相まって、体制面の自立性も高まり、特に1996年になされた公社(政府出資会社)化以後、財務面の強化も図られている。現在マレーシアの産業政策の目標の一つとして知識集約型経済化が謳われ、最先端分野における技術力の向上等が進められているが、技術協力における先方負担のあり方、第三国への援助等、協力の進め方を模索する必要があるものと考えられる。 |