1.評価対象プロジェクト名:
視覚・聴覚障害者学校に対する高速点字プリンター供与計画 |
(クリックすると画像が変わります)
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2. |
国 名: |
レバノン共和国 |
実施機関名: |
レバノン聴覚・視覚障害者学校 |
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3.援助形態:草の根無償資金協力、2000年度、US$33,000 |
4..評価実施機関名:在レバノン日本国大使館 |
5.現地調査実施期間:2002年4月25日 |
6.プロジェクトの分野:社会福祉(教育) |
7.政策目的又は政策の方向性:
聴覚障害者の教育レベル向上と社会参加 |
8.プロジェクトの目的:
首都ベイルートの視覚障害者学校に対し高速電子点字プリンターを供与することにより、視覚障害をもつ学生のための点字教科書、書籍、試験を作成し、学習効果・教育レベルの向上を図る。 |
9.評価結果:
本計画により供与された高速電子点字プリンターは、コンピュータ及びスキャナに接続され、1年間で約20冊の新しい点字教科書、読み物が作成されている。これら点字出版物は、同校生徒30名及び他の2校の視覚障害者学校で100部利用される他、一般の学校に通う視覚障害児童11名が授業の中で使用しており、本件計画による裨益効果が徐々にレバノン全土に波及しつつあることが確認された。大使館担当者の視察の際にも、児童が点字プリンターにより作成されたアラビア語、英語、数学、化学等の点字教科書を指で読みながら学業に励む様子が見られた。同校にて出版される点字教科書、書物はレバノン国内で高い評価を得ており需要が高く、将来的に国内の視覚障害者コミュニティ全体が裨益する可能性を考えれば、この計画は、草の根無償資金協力の特性が十分発揮されたものであるといえる。
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10.提言:
点字プリンター運用には、ノウハウをもった専門家(ないしは専門的な訓練)が必要である。また、点字用紙は普通紙に比べ高額であり、財力、人員に余裕のない団体が点字物出版を行うことには困難が伴う。点字プリンター供給業者は機材運用のための専門家派遣、点字用紙の供給を無償ないしはオプションにて行うケースが多く、援助側としては機材供与申請に応えるのみならず、実際の運用を視野に入れ、プロジェクト稼働に係わる必要経費の手当等につききめ細かいアドバイスを行っていく必要があろう。 |
11.外務省(本省)からの一言:
見過ごされがちな分野での貢献ですが、アラブ世界での出版・文化の中心地の一つであり、教育や福祉への意識も高いベイルートでの実施に相応しい案件と言えます。評価結果にあるように、機材の供与によって、以後多くのプロジェクトが生み出されていく点でも非常に効果的な援助です。
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