1. 評価対象プロジェクト名:
ホームレスの子供達のための孤児院兼職業訓練所の建設計画 |
(クリックすると画像が変わります)
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2. |
国 名: |
インド |
実施機関: |
ドン・ボスコ希望の家(NGO) |
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3. 援助形態等:
草の根無償資金協力 2000年度 23,100USD |
4. 評価実施機関名: 在コルカタ日本国総領事館 |
5. 現地調査実施期間: 2002年3月13日 |
6. プロジェクトの分野: 社会福祉 |
7. 政策目的又は政策の方向性: 貧困対策等 |
8. プロジェクトの目的:
駅や路上で生活するホームレスの子供達にシェルター(2階建ての施設を建設)と教育の機会を与え、職業訓練を施す。職業訓練では各種の小物を生産し、それを販売して子供達のために活用する。また、彼らが社会孤児院から独立する際には、自立できるよう就職等の支援を行う。 |
9. 評価結果:
2001年3月の開所から1年となるが、当初の目的・計画に沿って運営されており、運営主体もしっかりしている。現在、6歳から14歳の20名のホームレスの子供達が収容され、2階で寝起きし、1階の職業訓練所で初歩的な訓練を受けている。
子供達は施設から学校に通っている。施設では1日2-3時間程度、下校時間が異なる子供達を3つのグループに分けて、小物(グリーティング・カード、装飾ローソク、メモ帳、薬等を入れる小袋)の作成等の職業訓練を施している。この職業訓練には、我が国供与の施設に収容されている子供のみならず、「ドン・ボスコ希望の家」が運営する近隣施設の子供達も通っている。完成品は書店などカルカタ市内の店頭で販売され、収益は子供達が施設から社会に出る際の支援金等に活用される。
子供達のみに集まってもらい、生活、その他について率直な意見を聞いたが、彼らの表情は非常に明るく、ホームレスの子供達にありがちな屈折した暗さが見られなかった。「職業訓練は楽しいですか」との質問には、直ちに「楽しい」という答が返ってきた。このことから、職員が愛情を持って接していることが十分窺われる。職員によると、施設に収容された子供達は急速に変っていくということであったが、子供達の表情や行動ぶりからそれが納得できる。また、英語を幾分解する子供もおり、これも教育の成果と考えられる。
本件プロジェクトは、ホームレスの子供達に、シェルターのみならず教育の機会等を通じて人間としての尊厳を与えることにも貢献しており、意義のあるプロジェクトと言い得る。
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10. 提言:
本件は意義のあるプロジェクトであったと言い得る。コルカタはホームレスが多い都市であり、このような案件はニーズも高いので、優良な案件があれば今後も取り上げていきたい。
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