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はしがき

 本報告書は、平成15年度、外務省より財団法人結核予防会に委託された「沖縄感染症対策イニシアティブ(IDI:以下IDI)中間評価」における調査の取りまとめである。
 2000年7月の九州・沖縄サミットにおいて、日本政府は独自のイニシアティブとして「沖縄感染症対策イニシアティブ」を発表し、今後5年間で総額30億ドルを目途とする協力を行うこととし、その後、IDIは2001年の国連エイズ特別総会やジェノバ・サミットに繋がり、2002年1月1日に世界エイズ・結核・マラリア対策基金(GFATM)が設立された。
 このような感染症対策の国際的な取り組みが推進されていくなか、本年度で3年目に入ったIDIの中間評価は、IDIがどのような目的をもち、いかなる過程を経て策定・実施されたのかを中心に、総合的かつ包括的に評価し、今後のより効果的・効率的な協力の実施の参考とするための教訓を得、かつ提言を行うとともに、評価結果を公表することで国民や国際社会に対する説明責任を果たすことを目的としている。
 本評価調査では、全ての感染症対策支援実施国、特にケース・スタディ国(タイ、フィリピン、ケニア、エチオピア)における感染症対策支援の状況を確認し、分析に必要な情報を収集し、評価を行った。

 本調査は以下のメンバーからなる評価チームによって実施された。

評価者

 総括      :石井 克美 (財)結核予防会国際部 企画調整役
 感染症対策:大菅 克知 (財)結核予防会国際部 副部長
 感染症対策:吉山 崇  (財)結核予防会結核研究所 研究部長
 評価分析 :鈴木 修一 (財)国際開発高等教育機構事業部 主任

監修者

 中村 安秀 大阪大学大学院 人間科学研究科 教授
 三好 皓一 立命館アジア太平洋大学大学院

アジア太平洋研究科 教授

 稲場 雅紀 アフリカ日本協議会 幹事

 本評価調査では、外務省経済協力局調査計画課をはじめとする関係各課及び関係諸機関から様々なご指導、ご協力を賜った。また、ケース・スタディ国の調査においては現地日本大使館、独立行政法人国際協力機構の現地事務所、国際協力銀行駐在員事務所、当該国政府機関、関係国際機関現地事務所、他援助国の実施機関の現地事務所等より多大なるご支援とご協力を受けたことにより、本評価調査がスムーズに執り行われた。ここにその甚大なるご協力に謝意を表すものである。
 本報告書の構成は3部構成となっている。第1部は「沖縄感染症対策イニシアティブ(IDI)の背景 - 世界の感染症は今 -」と題し、世界の感染症の現状と問題点及び感染症への取り組みをまとめている。総論的に感染症問題及びその対策を把握しておくことは、IDIを捉える上で重要と思われる。第2部は「IDI中間評価」と題し、本評価調査の中心であるIDIの評価に関してまとめている。第3部は「今後のわが国の感染症分野における協力のあり方(提言)」と題し、IDIに関する提言、感染症対策支援に対する提言をまとめている。
 最後に、本報告書は当財団の責任において作成されたものであり、本報告書に記載された見解は日本政府あるいは外務省の立場を反映するものではないことを附記する。

2004年3月

財団法人 結核予防会
理事長 仲村 英一


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